■今年の漢字は「命」だそうですが
「今年の漢字」というのがあることを知らなったのですが、今年は「命」に決まったそうです。
流行語大賞もありますが、こうしたことを決めることの意味が私には理解しがたく、だから何なのだといいたいですが、まあせっかく決めたのであれば、決めて終わりではなく、関係者はそこから何か(商業活動ではない)活動を始めてもらいたいと思います。
私にとっても、今年は「命」の問題に目覚めた年でした。
もちろん生きている以上、私たちは常に「命」に直面していますが、普段はあまり意識せずにいます。
生きつづけることがすべての前提だからです。
毎日のように報道される交通事故死は、全く命を考える余裕もなく、突然に「命」を失なうわけですが、当事者はもとより、家族や関係者の「断絶感」は想像を絶しています。
テレビで時々紹介される遺族の声は、とても他人事には聞けません。
あまりにも安直に、人の命を終わらせる行為が多すぎます。
「自殺」という言葉がありますが、東尋坊の茂さんが著書で書いているように、自ら死にたくて死ぬ人はいません。自殺もまた、誰かによる殺人の一種といっていいでしょう。
事故死も偶然に起こるわけではありません。そのほとんどが誰かの不注意や不正によって起こります。
飲酒運転による他人の殺傷事件は殺人事件と区別する理由が私には理解できません。
しかし今の日本の法体系では、そうした「見えない殺人行為」はほとんど罰せられないか、罰せられても軽微です。人を殺傷しておいて、10年程度の懲役で許されるなどというのは被害者の立場では納得しがたいことでしょう。
「命」を奪った以上は、「命」以上のものであがなうのは当然の話です。
それがたとえ事故であろうと原則は同じはずです。
今年の漢字として「命」を選んだのであれば、改めて「命」について真剣に考えてほしいものです。
それにいても、この言葉を選んだ人たちの思いはなんだったのでしょうか。
「命を軽んじろ」なのか「命を重んじよ」なのか、どちらなのでしょうか。
愚問だといわれそうですが、「今年の漢字」などという質問よりはましのような気がします。
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