■シニアライフをどう生きるか
九州のKさんがまたどっさりと野菜を送ってきてくれました。
大企業に勤めていたのですが、定年退職後、郷里に戻り、百姓生活をしているのです。
今回は何と関鯵の天日干しまで入っています。
手紙によると自分で釣りあげた鯵を自分で干したのだそうです。
Kさんは毎年、アサリもどっさり送ってくれます。
これも自らが浜で採集してくるのだそうです。
CWSコモンズでも紹介したことがありますが、野菜も中途半端ではなく、実に立派です。女房が今回も感動しています。
いつもレシピまでついています。
Kさんは農業だけをしているわけではありません。
地域活動にも取り組み、行政とも付き合っています。
もちろんしっかりした主体的な視点をもってです。
こうしたシニア層が増えてきました。
お金のためではなく、仕事(人生)のために生きる人たちです。
私とは仕事の関係で付き合いが始まったのですが、仕事を離れてもこういうお付き合いができるのがうれしいです。
定年後にどういう生き方をするか、そこにその人のそれまでの人生が感じられるものです。
昨日お会いしたAさんの生活も感動的なほど、豊かです。
もう70才近いのですが、私の娘のスペインタイルの教室に通ってくださっているのです。
たまたま昨日、いらしていたのですが、私も自宅にいたので、教室終了後、コーヒーをご一緒しました。コーヒーが大好きなのです。
この人も大企業の役員だったのですが、そんなことは微塵も感じさせない、見事な人です。
退職後、仕事は一切やめて、自分の世界を楽しんでいます。
たとえばヘブライ語の勉強や陶芸などをやっているのですが、昨年からスペインタイルも学びだしたのです。そんなわけで、私の娘が「先生」なのです。
たまたまその人と私に共通の友人がいることがわかり、私もお付き合いさせてもらうようになりました。
お話をしていて、アッカド学などという話が、ごく自然に出てくるのです。
いま大学で学生たちと一緒に学んでいるのだそうです。
ともかくそういう学びの時間が至福の時間なのだそうです。
「社会には役立ちませんが」とおっしゃるのですが、実はこういう生き方をしていることこそが、もしかしたら社会に大きなお役立ちをしているように思います。
NPOだけが社会ではありません。自らの暮らしぶりからの情報発信もあるのです。
最近はシンプルな生活を目指し、自動車はもちろん自転車もやめたそうです。
歩いているといろいろなことがわかるし、いろいろな人に会えます、とおっしゃいます。
同感です。
高度経済成長時代を生み出し、そこを生き抜いてきた体験を踏まえて、どんな生き方をしていくか。
私の周りで、実に様々な生き方が広がりだしていますが、KさんとAさんの生き方は全く違うようで、私には同じ生き方のように見えます。
お2人は自らが納得した生き方をしているだけでなく、社会のあり方に強いメッセージを送り出しているように思うのです。
私はまだ、お2人の域には達していませんが、学ぶことがとても多いです。
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