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2007/03/14

■都知事選に4人も立候補してしまいました

都知事選に4人の候補者がほぼ出揃いました。
当選の可能性のあるのはおそらく石原さんと浅野さんだけでしょうが、にもかかわらずなぜ4人も出るのか。
選挙はさまざまな意味をもっているのでしょうね。
ただ、上記の2人以外の人が当選する可能性は皆無かといえば、そんなことはありません。
過去においても、本命の2人が争っているうちに、予想外の第三者が漁夫の利を得る結果になったことは必ずしも少なくありません。
それが良い結果をもたらしたケースもあります。
しかし、今回の知事選に限って言えば、そうした結果にはたぶんならないでしょう。

選挙は啓発やPRの場として捉え、当選は二の次にする考えもあります。
共産党の選挙姿勢は、そうした考えで貫かれているようですが、今回の都知事選もその延長と考えていいでしょう。
もちろん長期的には当選を目指しているわけですが、目先の当選は目指さない考えです。
つまり、共産党にとっての選挙は、啓蒙活動であり、運動といってもいいでしょう。
それもひとつの見識であり、戦略でしょうが、その発想は自らの党利党略を優先していますから、社会の視点は乏しいです。
それが共産党の伸びない理由だと私は思っています。
政党としては、そして主張としては、共産党が一番しっかりしているといつも感じますが、共産党には先ず投票したことはありません。
私が考える選挙ではないからです。

黒川さんやふくろう博士の場合は、どうでしょうか。
まさか当選の可能性があるなどとは思ってはいないでしょう。
黒川さんは石原知事続投を防止するためといっていましたが、そうした選挙観にはとても私は共感できません。
結果的には石原続投を支援することになるでしょうから、その見識も疑わざるを得ません。
強いものに最も利するのは、そうした独善的な視野の狭い言動です。
反権力勢力を無節操に分断する効果しかありません。

もっとも黒川さんの場合は、それを承知でのことかもしれません。
国会議員選挙にも当選の可能性の全くない立候補者が毎回のように立候補しますが、その人たちの動機とそう違わないのかもしれません。
いずれにしろ動機は全く自分勝手で不純だと思えてなりません。
本人はそうは思っておらずに、純粋なのかもしれませんが。

問題は、都知事選で問われるべき課題と都民の判断が結果に的確に伝わることです。
そうした視点から、どういう姿勢で選挙に臨むかを考えるべきだと私は思いますが、そういう視点で考えている人はいないように思います。
おかしな言い方ですが、そういう意味では、石原さんが一番考えているような気もします。
もちろん私は彼のような人はリーダーには相応しくない人だと思いますので、石原さん以外の人であれば、だれでも彼よりはもっと良くなると思っています。

話は違いますが、「平和への結集をめざす市民の風」というネットワーク組織が、平和憲法を守るために、「憲法の平和主義を守り活かす」ことに焦点を置いて、政策の違いや組織の立場を超えて、統一候補に終結しようという活動を展開しています。
その理念に共感して、私も最初は呼びかけ人や運営委員に名前を連ねていましたが、「憲法の平和主義を守り活かす」という一点を基本に、大同団結することの難しさを実感しました。
問題意識の旺盛な方であればあるだけ、小異にこだわり、大同を設計しにくいということも体験しました。
そして、活動の目標が、結局は盛りだくさんになったり、小異を捨てられなかったりしてしまい、結集は絵空後地になりかねないのです。
一時は成功したかに見えた沖縄でも、知事選では大同団結できませんでした。
都知事選でも、反石原での結集を働きかけましたが、実現できませんでした。
結果的には浅野さんが立候補したので、かなりの結集は出来そうですが。

体制を変えていくのは至難のことです。
現在の体制が抱える問題はさまざまであり、その批判勢力はどこに重点を置くかで政策や攻め方が変わってくるからです。
その結果、批判勢力はどうしても分散しがちです。
そして反石原の人が3人も出てしまうことになるわけです。
批判票が分散すれば、現体制、あるいは目標が明確な人が戦いやすくなるはずです。
反体制の分散した小さな動きが増えれば増えるほど、体制は強固になっていくのです。
そしてナチスは国家を掌握していったのです。
勢いがついてくれば、それを止めることは難しくなり、このブログのような負け犬の遠吠えは増えても、効果は出てこないでしょう。
困ったものです。

選挙って何なのかを書こうと思って書き出したのですが、どうも違うところに話が行ってしまいました。
最近の選挙って、何なのかについては明日、書くことにします。

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