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2007/03/03

■マスメディアの捏造機能

テレビ番組でのデータ捏造行為の発覚がまだ続いています。
まるで、「捏造!あるある大事典」のようですが、そもそもこの事件が最初に起こった時に、どの程度の人が驚いたのでしょうか。
私は何をいまさらという感じでした。
こんなに大騒ぎになるとは思ってもいませんでした。

「産業のジレンマ」と同じ構図がマスコミの世界にもあるように思います。
産業のジレンマとは、産業が新しい社会問題を起こし、市場を自己創出していくということですが、マスメディアもまた、自らが話題を自己創出していくという性格を持っています。
ですから、「捏造」こそがマスメディアの機能ではないかと、私は思っています。
そう考えていますから、何をいまさらと思ったわけです。

「捏造」はマスメディアにはよくある話です。
新聞も含めて、マスメディアに関わって、自らの関わる事実とは違った報道をされて、迷惑を受けた人も少なくないでしょう。
私も何回か体験しました。
マスメディアの「捏造」が犯罪事件を助長した事例もあります。
そもそもマスメディアにおける情報は、編集されるものですから、事実とは別のもう一つの世界になっているというべきでしょう。
ですからそこでの捏造などは日常茶飯事のはずです。
少し思い出してもらえれば、意図的な捏造ではないかもしれませんが、結果としての捏造の例には枚挙がないでしょう。
イラク戦争もサリン事件も、あるいは数々の冤罪も、マスメディアが捏造した(と思える)報道に支えられています。
時に権力は、そうした捏造をマスメディアを使って仕組むこともあるように思います。
マスコミのニュースには、多かれ少なかれ「捏造」の要素が含まれているといっても良いでしょう。
そもそも第二次情報はすべて「意図」と「編集」が入りますから、解釈情報であり、捏造的な要素が入り込むのは当然なのです。
そうでなければ、メッセージ性は高まりません。
「花伝書」を持ち出すこともないですが、事実以上に事実らしくしなければ、情報は伝わりませんし、説得力を持ちません。

そもそもマスメディアとは、そういうものだという認識が大切です。
目くじら立てて、捏造を暴き出していったら、テレビ報道などは成り立たなくなるでしょう。
今回程度の捏造などは、それこそいくらでもあるでしょう。
そんなことよりも、政府や企業や経済界が発信する情報の捏造性をチェックするほうが大切だと思えて仕方がありません。

しかし、捏造って一体なんでしょうか。
そうでないものがあるのでしょうか。
それすらも私にはいささかの疑問があります。

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