■患者だって医者の役に立っている
今日、NHKで「百万回の永訣~柳原和子 がんを生き抜く~」が放映されました。
柳原さんのことは、CWSコモンズにも何回か登場しましたが、
「がん患者学」の著書もあり、NHKのがんサポートキャンペーンにも同時進行的なエッセーを連載しています。
柳原さんががんばっている姿は私たちにも大きな力を与えてくれています。
こういう番組は、当事者にはかなり厳しいものですので、
見たい気分が半分、見たくない気分が半分というのが正直なところです。
迷っていたのですが、見せてもらいました。
元気そうな柳原さんの姿を見て、とてもうれしく思いましたが、
その後ろにある柳原さんの姿も垣間見えて、複雑な気持ちで見せてもらいました。
その番組のなかで、柳原さんがある集まりで、こんな主旨の発言をされています。
患者が喜ぶのを医師が喜んでくれる。患者でも医師に役立つことが出来るんだと思った。この言葉にとても共感できました。
癒しているのは医師ではなく、患者かもしれない。
そんな思いが、最近強くなっています。
病んでいるのは医師ではないか、というわけです。
病院における医師と患者の関係は、双方向であり、
ホスピタルの本質は実は患者が創りだしているのかもしれません。
柳原さんの主治医の一人は工藤医師です。
工藤さんが、自分の専門分野以外は最新の知見は知らないので、他の先生に相談する、というような主旨の発言をしていました。
これにも感激しました。
そんなことは当然なのですが、実際にはほとんど行われていないのも事実でしょう。
最近の医師は忙しすぎるのです。
このブログでも医療時評を始めようと予告したのですが、なかなか書けずにいます。
先週、CWSコモンズには病院の呼び方に関して書きましたが、
そろそろこのブログでも医療関係の記事を抑え目に書き出そうと思います。
ところで、タイトルにした「患者だって医者の役に立っている」という言葉ですが、
これにはさまざまな意味が込められているように思います。
それはともかあく、この言葉をひっくり返すと、こうなります。
「医者だって患者の役に立っている」
この2つの命題のどちらにより大きな真実があるでしょうか。
今の日本の医療制度の問題の本質は、
この2つの命題のどちらに軸足をおいているかに関連しているかもしれません。
視点を変えると風景は全く変わってくることの典型的な一例がここにもあるような気がします。
ちなみに、これから書く医療時評は、そんなラディカルな内容は書かないつもりです。
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