■コミュニティケアからケアコミュニティへ
このブログでも書きましたが、22日にコムケアフォーラム2007という、
全国の表情を持った全国のNPOの集まりを開きました。
急に決めたにもかかわらず、150人近くの人が集まってくれました。
その準備から当日の様子、またその後の動きなどは、
コムケアフォーラム2007のブログに書かれています。
これからも書き込みがある予定です。
よかったら読んでいただき、ぜひコムケアの輪に入ってください。
私は、その活動の事務局を6年やっていますが、
そこで全国の述900のNPOやボランティアグループの活動にささやかに触れてきました。
そのおかげで、日本の社会の実相を垣間見ると共に、日本のNPOの問題点も見えてきました。
数は増えましたが、9割のNPOは自立していませんし、
自立しようともしていないという気もします。
しかし、新しい社会を創り出そうと健闘している人たちも決して少なくありません。
この活動を始める時に、キーコンセプトを「つなぐ」に決めましたが、
6年間の活動を通して、ケアとはつなぐことだと確信しました。
それも表情のあるつながり方、遠心力を持った開かれたつながり方です。
いまの福祉行政には、そうした視点が弱いですし、多くのNPOもまたそういう発想をもっていません。
それはこの半世紀以上の経済至上主義のせいかもしれません。
かつての日本は「つながりの深い」社会でした。
人と人のつながりだけではありません。
自然とのつながり、文化とのつながり、物とのつながり、過去とのつながり、未来とのつながりです。
その「つながりの文化」は、近代化には不都合な側面がありました。
そのために、私たちはみんなで「つながりこわし」をしてきたわけです。
そして核家族社会や企業社会が生まれてきました。
社会は荒廃し、少子化が進みだしました。
そして、そうした状況に中で、産業はますます広がっているわけです。
そういう時代の流れに、棹をさしたい、というのが、
私がコムケア活動を始めた思いでした。
その活動拠点が、コミュニティケア活動センター(コムケアセンター)です。
しかし、最近、コミュニティケアではなく、ケアコミュニティという発想を軸にすべきだとようやく気づきました。
ケアコミュニティ。
ケアしあう文化の社会。
つながり、支えあう社会。
コミュニティケアとは視点や視野が全く違ってきます。第一、目線が違います。
いま私たちの周りで欠けているのは、ケアの仕組みや行為ではなく、ケアの文化です。
改めて私たちの先代たちが育て守ってきた「つながりの文化」を復活させることが必要です。
それができるかどうか、それによって、私たちの未来は大きく変わっていくような気がします。
全国のさまざまな実践者と話し合って、改めてその思いを強くしました。
今回のフォーラムで、コムケア活動から少し離れたいと思っていましたが、どうもそれは無理のようです。
人生はなかなか思うようにはなりません。
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