■まずプロジェクト、原理はそれから
「真なるものとは単に、信じるほうがより便利なものというにすぎない」。
アメリカのプラグマティズムを代表するリチャード・ローティの言葉です。
おそらく「正義」もそうかもしれません。
以前書いたような気もしますが、「常識」もまた「それに従えば便利なもの」です。
国民投票法が成立しました。
今日、改めてまた、NHKで放送された「焼け跡から生まれた憲法草案」を見ました。
何回見ても、やはり今の日本の憲法状況はおかしい気がします。
現在の日本国憲法は、米国からの押し付け憲法ではなく、私たち日本人が戦争という大きな代償を払って到達した成果なのです。
そして、今の社会は明らかに違憲行為の積み重ねです。
つまり少なくとも小泉前首相も安倍首相も犯罪者です。
それが、私にとっての「真なるもの」であり、「正義」であり、「常識」です。
しかし、どうもそれは間違っているようです。
安倍内閣の支持率が上昇しているそうです。
私にとっては、実に気持ちの悪い社会です。
ローティの定義は、まさに西部劇の世界の話です。
歴史も原理もなかった、アメリカであればこそ、現世的な功利主義が優先したわけです。
そして、そこにこそ、アメリカ型の民主主義が成り立つわけです。
ローティはまた、“FIRST PROJECTS, THEN PRINCIPLES”(まずプロジェクト、原理はそれから)といっています。
プラグマティズムの政治スタイルを簡潔に説明しています。
文化は野蛮には勝てません。
インカ文化もアフリカ文化も、そして身近では琉球文化も、近代西欧の野蛮に破れました。
文化と野蛮は、これもまた定義次第ですが、私は近代に野蛮を感じます。
日本の文化もそろそろ終焉を迎えるのでしょうか。
それともまだ歴史を大きく変えていく存在になるのでしょうか。
いま、その岐路にあるように思いますが、時代はプロジェクト先行に向かいつつあるようです。
気持ちの悪い時代になってきました。
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