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2007/05/08

■生産者主導から消費者主導の経済への移行の幻想

経済の主導権が生産者から消費者へと動いてきていると、いわれます。
私が大学を卒業した時点では、産業構造の川上化か川下化の議論はまだ分かれていました。
私が入社した東レでも、それがテーマになっていました。
いうまでもなく、その当時も少し考えれば川下化は当然の流れでした。
しかし、そうはなりませんでした。
残念ながら東レは川下化路線を取りませんでした。
15年後に、私はトップに川下路線を再度提案しました。
それが結局は私が会社を辞める契機になるプロジェクトの始まりでした。

私が会社に入った1960年代に、すでに日本でもドラッカーは話題の人でした。
彼の本を読んで、私はしかし失望しました。
事業の目的は「顧客の創造」だと書いてあったからです。
以来、私はドラッカーは好きにはなれません。
しかし、企業経営に関して言えば、ドラッカーは的確でした。
「顧客の創造」とは、経済の起点は消費にあると明言しているわけですから。
当時はまだプロダクトアウトの経営観理論が全盛でした。
生産に起点をおいた経営論や産業論がほとんどでした。
しかし、資本主義の本質は「消費」にあることは、後知恵かもしれませんが、明白です。

1990年代になって、ニューエコノミー論が盛んになりました。
ITが大量生産体制の限界を克服し、柔軟な供給体制が可能になったのです。
カスタムメイドの経済が可能になり、ますます個々の消費者が主役になれるようになったのです。
とまあ、これがこの数十年の産業構造や経済システムの大きな流れです。
生産者主導から消費者主導の経済への移行です。

私は、しかし上記の議論には全く与しません。
表層的な動きに騙されていけません。
たとえば、こんな記事が今月号のハーバード・ビジネス・レビューに出ていました。
ICタグでサプライチェーンは冷蔵庫まで延びる、という記事です。
長くなりそうです。
この続きは、明日、書きます。
余計なことを書いてしまったので、肝心のテーマに行き着きませんでした。

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