■団塊シニアの不安
団塊シニアが会社を定年で辞めだしましたが、彼らは退職後の生活に経済的不安をもっているかどうか。
今日、そんな議論をちょっとだけ、団塊世代の人としました。
リストラされずに無事定年を迎える団塊シニアは、何とかぎりぎりでバブル経済の恩恵を受けて、老後の経済的心配はないのではないかと、私は思っていました。
しかし、団塊世代である当人(大企業の役員です)は、そんなことはない、不安に感じている人が多いというのです。
皆さんはどう思われるでしょうか。
私の意見はこうです。
団塊シニアの多くは、会社人間として目いっぱい「生産活動」言い換えれば「金儲け活動」に取り組んできました。その結果、お金を稼ぐことが仕事だと考えるようになってしまったのです。
逆に言えば、お金を稼ぐことはできても、お金を使うことが出来なくなってしまったのです。
資本主義経済の発展の両輪は、生産と消費です。
男性が生産を、女性が消費を担ってきたのです。
20年前に会社を辞めてから、そうしたことを実感することが多かったです。
カルチャーセンターでも、旅行でも、百貨店でも、いつも主役は女性でした。
生産と消費はコインの裏表ですから、そのどちらも必要なのですが、あまりに役割分担が進みすぎて、生産生活を続けてきた男性たちは、お金を使うという発想がなくなったのです。
お金を稼ぐことは、彼らにとって、生きている証になってしまったのかもしれません。
ですから、お金が稼げなくなると自らのアイデンティティが否定されるような気がするのかもしれません。
つまり、経済的不安ではなくて、自己否定される不安なのです。
よく、私は年金生活者だからという人がいます。
あれもまた、稼ぐことしか発想できない男性の哀しさを象徴しています。
団塊シニアが不安に思っているのは、お金が稼げなくなることではなくて、お金の使い方がわからないことなのではないか。そんな気がしてなりません。
お金を稼ぐ点では女性に負けなかった男性たちも、お金を使う点では女性には勝てないでしょう。
したがって、家庭での主導権は女性に移るのです。
その先には熟年離婚が待っています。
稼ぐことでしか居場所がなかった男性たちの冬の季節が始まるのかもしれません。
そうならないために、みなさん、お金を稼ぐことの虚しさに早く気づきましょう。
お金は稼ぐためにあるのではなく、暮らすためにあるのです。
みなさん、もし6億円が当たったら、きちんと使うことが出来ますか。
まさか「貯金する」などという馬鹿なことは考えないでしょうね。
貯金するくらいなら、6億円は当たる必要はないのです。
そう思いませんか。
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