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2007/05/03

■臓器移植報道と思いやる気持ち

米国で心臓移植手術を受けた松田京大ちゃんが元気に帰国しました。
これはとてもうれしいニュースです。
テレビでお母さんが、「日本中の皆さんの暖かい気持ちがなかったら、今の京大はありませんでした」と話していました。
こういう風景はこれまでも何回か見てきました。
しかし、いつも少しだけ疑問に思うことがありました。
このブログでも書きたいと思いながらも、書けずにいました。
一昨日、ある方からメールをいただきました。
その方のメールを読んで、今回は思い切って書くことにしました。
2日間、迷ったのですが。

疑問の一つは、京大ちゃんの問題は解決したかもしれませんが、同じような状況にある人たちの問題はどうなるのか、です。
必ずしも同じ病気でなくてもいいです。
お金が不足しているが故に、受けたら助かるかもしれない手術や治療を受けられずにいる人は決して少なくありません。
いや、それ以前に、健康保険料を払えないために、病院にも行けずに苦しんでいる人も増えています。
医療法の変更で、苦しんだ人もいます。
鶴見和子さんも、その一人かもしれません
すべてを一挙に解決することは難しいでしょうが、多くの矛盾を一つの美談によって見えなくしてしまうことに大きな疑問を感じるわけです。
仕組みとして、何か考えられないものでしょうか。
もしそうした状況に直面した時に、京大ちゃんの両親のように、誰でもがもし呼びかけられる仕組みがあれば、と思ったりします。

もう一つは、数年前に日本ドナー家族クラブの方から気づかせてもらった疑問です。
京大ちゃんが手術に成功した最大の功績者は、そして京大ちゃんのご両親が一番感謝しているのは、いうまでもなくドナーの方であり、その家族です。
その家族は、京大ちゃんと同じ年頃の子どもを亡くした家族かもしれません。
そうした家族の悲しみが、臓器移植の成功の陰には必ずあります。
しかし、テレビも新聞も、そうした視点がいつも感じられません。
そのために、私たちもまた、そうした報道の後ろにいるドナー家族の複雑な気持ち、悲しみと喜びに思いが向きません。
今回も、あるドナー家族の方から、どうして報道ではそうしたことを思いやる発想がないのか、残念ですとメールをいただきました。
それに続けて、こんなことが書かれていました。

秋には脳死移植法の改正が、臨時国会に上程されるそうです。その中にドナーのケアやサポートの文言はありません。

日本移植学会副理事長の大島伸一さんは、「いくら目の前の患者が生きる死ぬという状態でも、提供するドナーがいて始めて成り立つ。あくまでも、ドナーの人権や利益、意思や考えが第一優先でそれが侵されてはいけない」と発言されているそうですが、物事の後ろにある問題を、私たちはもっと思いやる気持ちが必要です。
意識しなければ、そうしたことはなかなか見えてきませんが。

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