« ■社会保険庁の相談窓口対応 | トップページ | ■がん対策基本計画の根底にある医療パラダイム »

2007/06/16

■あっちゃんの雑記帳

知人のSさんから小冊子が届きました。
「あっちゃんの雑記帳」。38ページの手づくりの小冊子です。
手紙にこう書かれていました。

同封の冊子を家族みんなで作りました。
私の母の想いがつまっています。多いに個人的な内容なので、ご迷惑かもと思いますが、佐藤さんにお目にかけたいなあ・・・と、つい思ってしまいました。
いろいろな活動からの経験で、この冊子を作ることが出来ました。母にも喜んでもらえましたが、一番楽しんだのは私です。ちょっと(かなり)自慢のこの一冊、ご笑納いただければ幸いです!

Sさんはコムケア活動で知り合った人です。
実に多彩な活動をしていますが、その活動の広がりと組み合わせがすごいのです。
地元での活動もあれば、全国的な活動もあります。自分の活動もあります。
いずれにも共通しているのは「楽しむ姿勢」です。そしていつも「暮らし」につながっています。

そのSさんのお母さんが「あっちゃん」です。83歳です。
Sさんは全国マイケアプラン・ネットワークのメンバーでもあります。
そこで作成した「マイライフプランの玉手箱」をあっちゃんに渡して、ともかく今までのことを気が向いた時にメモ書きしておいてね、と伝えていたのだそうです。
4月に実家に戻った時に、びっしりと書き込まれたノートを渡されました。帰りの電車で、それを読んだSさんは涙が出そうになったそうです。

そこには大正13年に東京の本郷で生まれたことから始まり、さまざまなことが書かれていました。それを読んでSさんは、母のメモリアルのための冊子にしようと決めたのです。そして姉妹と孫たちに呼びかけて編集会議が開かれ、みんなが楽しみながら完成させたのが「あっちゃんの雑記帳」です。
あっちゃんの両親のことも、あっちゃんの若い頃の友人のことも、もちろん娘のSさんのことも、孫たちのこともいろいろと書かれています。内容はいずれも個人的な話なのですが、逆にそのおかげで、当自の社会の様子が生き生きと伝わってきます。戦争の話もあれば、物価の話もあります。歴史が見えてきます。
Sさんが結婚した頃、我孫子に住んでいたことも書かれています。
Sさんの祖母が新潟の西蒲原出身ということも知りました。

私が一番興味を持ったのは、「あっちゃん」という名前です。
Sさんのお母さんの名前には「あっちゃん」につながる文字がないからです。
理由はあっちゃんのお父さんが、戸籍名をきらって子どもたちに、別の呼び名をつけていたのだそうです。
戸籍名は喜美子、呼び名は昌子(あつこ)。それで戸籍名とはちがう「あっちゃん」とずっと呼ばれていたのだそうです。
戸籍名と呼び名。面白い話です。まさに言霊の文化が感じられます。
これに関した研究はあるのでしょうか。知っている人がいたらぜひ教えてください。

長々と「あっちゃんの雑記帳」のことを書いてきましたが、この冊子が示唆していることはとても大きいように思います。
認知症予防のための回想法というのがありますが、そのひとつの「自分史法」に、最近広がりだしている「物語」(ナラティブ)発想を入れて「物語法」と言ってもいいでしょう(もうあるかもしれませんが)。
認知症予防という消極的発想から抜け出せるかもしれません。
多世代交流もできます。

さらにこうした自分史作りが広がっていくと、それは膨大な歴史資料になります。
平板な歴史書の時代は終わるでしょう。そして社会の認知症予防にもなるはずです。
企業を離れだすだす団塊シニアの皆さんにはぜひ取り組んでほしい活動です。
いや団塊シニアに限りません。子どもの頃からこうした思考をもてば、子どもたちの育ちも変わっていくはずです。家庭も家族も変わるでしょう。

これらはおそらく効用のほんの一部です。
「あっちゃんの雑記帳」から社会が変わりだしていくかもしれません。

Sさんは、そんなことは考えていないでしょうが、この小冊子の向こうにはとても大きな世界があるように思いました。
新しい歴史はいつも現場の小さな活動から始まるのです。

ちなみに全くの偶然なのですが、今日、我孫子でSさんに会うかもしれません。
実にフットワークがいいのです。我孫子のコンサートを聴きに来るのだそうです。
私もそのコンサートに出かけますので。

|

« ■社会保険庁の相談窓口対応 | トップページ | ■がん対策基本計画の根底にある医療パラダイム »

生き方の話」カテゴリの記事

コメント

佐藤さんにお目にかけたいなあ・・・と、つい思ってしまったSです。(笑)
おもいを受け止めて下さりありがとうございました。とても嬉しいです。
母の呼び名のことは話には聞いていたのですが、文字では分かりませんでした。昌子(あつこ)は別の読みをするとまさこ。話し言葉だけでは分からなかったことで、嬉しいことです。

また、今日は我孫子のコンサートでお目にかかれてとっても嬉しかったです。いつかお会いできるだろうと思っていた奥さまにも、とうとうお目にかかることが出来ました。「道」のみなさんの歌声とともに、今日という日に感謝感激です。
素敵な一日をありがとうございました。


投稿: suda | 2007/06/16 23:44

Sさん
昨日はお会いできてうれしかったです。
女房も喜んでいました。

9月の発表会、きっと楽しいものになるでしょうね。
楽しんでください。

投稿: 佐藤修 | 2007/06/17 06:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30899/15438887

この記事へのトラックバック一覧です: ■あっちゃんの雑記帳:

» 保険の在り方 [団塊の世代の保険]
このサイトでは定年された方や定年を控える方の「保険の在り方」について考えるサイトです。もちろん「両親の老後が心配だ」という方も参考にして下さい。まずはじめに…退職後の生活…なんとなく不安に感じておられる方も多いのではないでしょうか? ①…生活の糧である収入が公的年金頼みであること ②…思いもしない出費が心配 ③…いつまでも健康でいられない上記の理由に集約されるのではないのでしょうか。そういった不安を「�... [続きを読む]

受信: 2007/06/17 08:52

» 自分史の自費出版 [自分史の自費出版]
自分史の自費出版 [続きを読む]

受信: 2007/06/20 20:50

« ■社会保険庁の相談窓口対応 | トップページ | ■がん対策基本計画の根底にある医療パラダイム »