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2007/07/22

■いまの選挙制度って根本的に無理があるのではないでしょうか

ある人の人物評を質問されました。質問した人は、その人と接点を持っているかもしれないと私に訊いてきたのですが、私も全く面識がありません。
そこで余計なお世話と思いつつも、その人のことを知っているかもしれない複数の人たちに、その人物評を質問してみました、

5人の人から返事がありました。
それがみんなかなり違ったものでした。
それも全く正反対に近い評価が含まれているのです。
私には実に面白い体験でした。

当然のことかもしれませんが、いろいろと考えさせられました。
人のイメージはかくも違うのです。
人物評というのは難しいものです。

選挙が近づいてきました。
みなさんはどういう基準で投票する人を決めるでしょうか。
正直に言って、市会議員を別にすれば、いつも私には確信が持てません。
以前は年齢やキャリアや公約を重視してきましたが、最近は所属政党で決めるようになりました。
党議拘束の現実や議論しない国会を知るにつれて、議員の主体性への信頼が揺らいでいるからです。

選挙は「人を選ぶ」制度から「政党を選ぶ」制度になってきています。
そう考えていくと、そもそも地方区などというのは意味があるのかと思います。
さらに、国民みんなが直接的に国会議員を選ぶという、現在の選挙制度にも疑問を感じ出しています。
政党を選ぶ選挙は、本当に選挙なのだろうか、という気もします。
もし「議員」を選ぶのであれば、顔の見える範囲で代表を選ぶ仕組みにすべきです。
国民主権を実現したいのであれば、選挙制度の構造変革が必要です。

まず自治会の役員をみんなの合議で決めることから始めたらどうでしょうか。
100世帯程度の自治会であれば、だいたい顔が見えるはずです。
そしてそこで選ばれた人が市町村の議員を選ぶのはどうでしょうか。
市町村の議員が県会議員を選び、県会議員がブロック単位で代表を選ぶ。
そしてその中から国会議員が選ばれるというのはどうでしょう。
議員に選ばれたたら、4年間は仕事を休んで活動します。その間の所得保証は行われますが、辞退する権利も認めていいと思います。
もちろん今のような特権階層扱いはしないでいいでしょう。議員は主権者の代理人でしかないのですから、名誉職的な処遇でいいでしょう。

それでは地域エゴに立脚した代表しか出てこないではないかといわれそうですし、現実的でもないといわれそうです。
しかし、地域主権や代表の発想から言えば、これが正論ではないかと思います。
もう一度、原点に帰って考えるべきでしょう。

地域代表からの積み上げで構成されるのは衆議院で、参議院は全く別の仕組みで、むしろ全国から発想するのがいいでしょう。
地域から考える衆議院と国家から考える参議院との緊張関係の中で国家経営が方向付けられていくわけです。

あまりにも素朴すぎて、と笑われそうですが、いま必要なのはそうしたシンプルな発想ではないかと思います。
年金制度も難しく考えすぎで、誰もが分かる簡単の仕組みにすれば、今のような不正は発生しなかったはずです。
もっと単純に考えれば、おそらく世の中の問題はほとんど解決するはずです。
高速道路だって、税金で造っているのですから、原則無料にするのは当然ですが、なぜか日本では有料が当然だとみんな思い込んでいます。
複雑にすることで、だれかが得をしていることに気づかねばいけません。

人物評の話が、どうも思わぬ方向に広がってしまいました。
いずれにしろ選挙にはいきましょう。選ぶ人がいないとしても、です。

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