■嫌いな民主党への提案
私は民主党が嫌いです。
組織としてのアイデンティティが不在なのとビジョンが語れないからです。与党は守りでいいのですが、野党はビジョンを語れなければ、単なる反対政党になってしまいます。反対だけでは、新たな歴史は切り開けません。よほど現状がひどくなければ多くの人を吸引できないでしょう。
民主党が嫌いな、もう一つの理由は、野党としてのリーダーシップが意識されていないことです。党内では過ぎるほどの「大同小異」を受け入れながら、党外に対しては「連帯」の姿勢が感じられないからです。そこに歴史観の不在を感じます。
言うまでもありませんが、自民党はもっと嫌いです。犯罪者集団ではないかと思うほどに嫌いです。
もっとも個人的には共感できる人もいます。しかし自民党は好きにはなれません。聞いただけで虫唾が走ります。
ちなみに民主党には知人友人が数名います。それぞれに思いもある、良い人です。しかし民主党は好きではありません。
その二大政党が、今度の参議院選挙で覇を競うわけです。
前にも書きましたが、この2党は私には双子にしか見えませんから、政策ではなく権力で戦うとしか見えません。
いずれが勝つかは、私には興味がありませんが、国会や国民を無視して強行採決を繰り返しながら、格差拡大を進めている自民党政府には政権の座から降りてもらいたいと思っています。
このままだと、場合によっては、憲法さえも強行採決的手法で変えてしまいかねません。小泉内閣以来、自民党政府はクーデター内閣です。
ですから、ここは嫌いな民主党に勝ってもらいたいと思っています。
しかし、その民主党の掲げたマニフェストにはこれまでの延長でのメッセージしか感じません。しかも網羅的です。
これでは国民は吸引できないのではないか。
もっと具体的で単純明快なメッセージを出すべきではないでしょうか。
たとえば、「雇用を守り、格差を正す」とありますが、この「格差」是正だけに焦点を絞って、格差が縮小され、しかも活力のある社会を目指して、「格差を壊していく」というような呼びかけにしたらどうでしょうか。そのなかに具体的実践的なプログラムを打ち出せばいいのです。年金や児童手当などは行政の言葉であって、政治の言葉ではないように思います。年金不安や少子化の根底にある問題に焦点を当てるのが政治です。
あるいは、憲法問題に焦点を当てて、「戦争をしないで成功した歴史をまもっていく」でもいいでしょう。憲法を変えるかどうかではなく、戦争をするかどうかに焦点を絞れば、これも実際に戦争にやらされる若者たちを観方に出来るでしょう。
もっといえば、憲法9条を変えようとしている人たちをイラクに派兵するというスローガンはどうでしょうか。小泉元首相と安倍前首相にはイラクの前線に行ってもらうという公約はどうでしょうか。いや、そうなったら小澤さんも岡田さんもイラクに行かないといけなくなりますね。この提案は撤回です、はい。
いずれにしろ、もう少し魅力的な呼びかけメッセージを考えないと民主党への投票は増えないのではないかと、とても不安です。
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コメント
とりあえず、テレビに映る民主党幹部は声が小さいです。
ビジョン以前の問題です。
投稿: itochan | 2007/07/22 05:43