■新しいM&Aの時代
今年の株主総会の時期も、大きな異変はなく終わったようです。
M&A時代の到来に大きな不安を持っている私としては、まあホッとしました。
昨今のファンド主導のM&A(企業の合併・買収)の広がりは、私の企業観、経営観には全く整合しないのです。
昨今の企業価値論やコーポレートガバナンス論にも大きな違和感があります。
ところが、これからはまさに「M&Aの時代」でなければいけないと言う人がいます。
一条真也さんです。
私が敬愛する企業経営者です。
一条さんの新著「龍馬とカエサル」のあとがきにこう書いています。
私は一人の経営者として、ミッション(使命)とアンビション(志)の二つを真の「M&A」として大切にしていきたいと思う。(中略)これからは「ハード」よりも「ハート」、つまりその会社の思いや理念を見て、顧客が選別する時代に入ると確信している。そのときに、最大の武器となり資産となるものこそ、「M&A」なのである。使命感(Mission)と志(Ambition)。
まさに企業の原点だったはずです。
昨今の企業がさまざまな問題を起こしているのは、その「M&A」が見失われてしまったからです。
企業の病理を正すのは、それを構成している経営者や社員です。
まずは経営者や社員が「心」を取り戻すことです。
そして、初心に戻って、「M&A」を思い出すことです。
ミートホープの田中社長も創業の頃の思いを思い出してほしいです。
最初から「悪事」を働こうなどと思う人はいないはずです。
どこかで死刑判決を受けるほどの悪事にかかわらざるを得ない現実が多すぎるのが今の日本社会かもしれません。
それを正すことから、安田弁護士は構想すべきだったのではないかと思います。
最近、このブログで書いている事件は、すべて繋がっています。
小手先で「対処」するようなことの恐ろしさに、そろそろ気がつきたいと思います。
一条さんの「龍馬とカエサル」の紹介は私のホームページに載せました。
よかったら読んでください。
とても示唆に富む、読みやすい本です。
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