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2007/08/07

■憲法と政党マニフェスト

選挙後の参議院議員を対象とした朝日新聞と東京大学の調査によると、改憲賛成派は53%に減少したそうです。憲法9条改正に関して、賛成31%、反対50%だそうです。
選挙前とは状況は大きく変わっています。憲法改定という大きな問題への意識が、こうも簡単に変わってしまう国会議員への不信感もありますが、これでひとまずは戦争を目指す国家への道は少し止められそうです。
しかし本当にホッとしていいのかどうか。

憲法は国家の基本理念やビジョンを示すものであり、国家のアイデンティティに関わるものです。
日本の憲法は、政治家と財界と憲法解釈学者によってずたずたにされてしまっていますが、そこに込められたコアバリューは明確です。
それが9条だと思いますが、そうした国家のコアバリューへの真剣なマニフェストを表明する政党が少ないのが残念です。
昨今のマニフェスト論議は、どうも実現性とか評価可能性とか具体性に関心が移っていますが、政党のマニフェストはやはり国家の基本である憲法との関係をもっと重視するとともに、日本のビジョンや国家理念を明確に謳うべきではないかと思います。
政党のマニフェストと個人のマニフェストは次元の違う話だと思いますが、それが混同されているのが現状です。
今回もまた、マニフェスト選挙だったという人も少なくありませんが、私には自民党も民主党も日本のビジョンやコアバリューに関して明確に宣言しているようには思えません。
彼らが考える「日本の形」の違いも見えてきません。
それは両党とも、結局は現在の憲法や平和の理念に共感しておらず、経済に従属した市場主義的政府を目指しているからです。
形の上では二大政党のスタイルをとっていますが、結局は「双子の兄弟」の内輪の権力争いでしかないのです。

政党政治を続けるのであれば、政党はもっとしっかりした国家のアイデンティティやビジョン、理念を明確に打ち出すべきではないでしょうか。
それがあいまいな政党のマニフェストは全く意味がないような気がします。
政界再編成は、権力再編成であってはなりません。
ビジョンと理念を基準に、政党そのものの再編成をすべきではないかと思います。

広島の平和式典に安倍首相が参列していることに、やはり私にはどうしても違和感があります。

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