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2007/08/23

■危機管理能力って何でしょうか

自民党や公明党は、今回の選挙の総括を行った結果、敗因は「危機管理能力の欠如」だったと言う結論に達したそうです。
なんだか問題の本質を摩り替えているように思います。
大敗したが政策は理解されたという安倍首相の発想と同じです。
「危機管理能力」を原因にするということは、「実体」には何の問題もないという意識につながりますから、本質は何も変わらないですませられます。
「政策」や「内容」で考えるのではなく、「手法」や「言葉」で考えていては、結局は何も変わりません。その根底には責任転嫁の発想があります。

もっともこうした見方はマスコミの論調でもあり、その影響で多くの国民もまたそう考えているようです。
そうした発想からは、このブログにも投稿があったように、国民は民主党に政権をとらせたいと思ってはいないというような推測が出てくるわけです。
*この文章は私の勘違いでした。投稿してくださったseikurouさんに深くお詫びします。コメント欄をお読みください。ちなみに、この発言はTVたっくるでの誰かの発言だったと思います。
しかしそうでしょうか。
もっと本質的なところで、つまり政策・施策内容や政治家としてのビジョンや思想に関わるところで、こうした結果が出たのではないかと思います。
私の周辺では、少なくともそうした意見の人が少なくありません。

それに「危機管理能力」ってなんでしょうか。
新しい言葉にごまかされてはいけません。
多くの人はカタカナ言葉にだまされるなといいますが、そういう人に限って、日本語にだまされるのです。言葉のごまかしは日本語でこそ行われます。
意味も内容も考えずに、民営化と言う言葉にだまされているように。

危機管理はリスクマネジメントの訳語です。
危機とリスク、管理とマネジメントは、微妙に違います。
それに関してはいろいろな場で話してきましたし、CWSコモンズにも関連した小論も掲載していますが、危機管理能力の欠如などと簡単に総括せずに、もっとしっかりと総括すべきだと思います。
危機管理能力の欠如は、あくまでも二次的な話です。

たとえばミートホープや白い恋人の社長が、事件を総括して、自社の危機管理能力が欠如していたと発表したら、みなさんはどう感ずるでしょうか。
問題が違うと思うかもしれませんが、問題はつながっています。
自民党の敗因は、危機管理能力の問題ではありません。
自民党の実体に原因はあるのです。

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コメント

現在の自民党の否定ということが民主党に
政権をとらせたくないと言う事になるとは
思いません。社民や共産が票を伸ばす要素は
無いということです。

投稿: seikurou | 2007/08/23 17:29

seikurouさん

そのとおりですね。
私の勘違いで、テレビでの誰かのコメントとseikurouさんの投稿を混同してしまいました。
すみません。

本文は撤回します。
修正してもいいのですが、注記することで許してください。

もう少し責任を持って書かないといけませんね。
反省します。

投稿: 佐藤修 | 2007/08/23 17:52

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