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2007/10/10

■節子への挽歌36:私のライフスタイルを変えたのも節子です

節子は私のライフスタイルにも大きな影響を与えました。
たとえば自動車。
私は学生の頃から自家用車反対論者でした。
自動車は基本的に公共交通システムに限定すべきだという意見でした。
ですから自分では運転免許もとらず、したがってわが家にはずっと自動車はありませんでした。
娘たちは子どもの頃、家に自動車がないので我が家は貧乏だと思っていたそうです。
そのおかげで、わが家の娘は今でもかなりの節約家です。

わが家に自動車を持ち込んだのは節子です。
当時、私は通勤に駅まで自転車を使っていたのですが、雨の日は大変でした。
その苦労をさせたくないという思いが、節子が運転免許をとろうと考えたきっかけだったそうです。
その話を聞いて、自動車文化反対論者の私も反対できませんでした。
節子が免許をとったら、娘たちもとりました。
それに伴い、わが家の行動範囲は一挙に変わりました。
世界が変わったのです。
そしていつの間にか、私が一番の利用者になったのです。
そして50歳近くになって、私も免許をとりました。
しかし、どうも運転は苦手で、事故もどきをよく起こしました。向いていないのです。
それで運転をやめました。それからもう10年以上たちます。

運転ができなくなってしまった節子はもう一度、自動車を運転したいといって、かなり体調が悪くなった今春、私を駅まで自動車で送ってくれました。
心配なので、横に娘が同乗しました。
節子はとてもうれしそうでした。
しかし、それが最後の運転になってしまいました。

何を書いても、最後は何だか悲しい話になってしまいます。
困ったものです。

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