■節子への挽歌59:なかなか現実に向き合う勇気が出ませんでした
昨夜、Tさんからメールが来ました。
奥様の訃報を知ってから、なんどもメールをさせていただこうと思ったのですが、なかなか、書けませんでした。「なかなか現実に向き合う勇気が出ませんでした」とあります。
以前、メールをさせていただいたときに、奥様からもメッセージを頂いていたのに、それがとても嬉しかったのに、なかなか現実に向き合う勇気が出ませんでした。
すいません。
私も節子が病気になって以来、「現実に向き合う勇気」を失っていたのかもしれません。
その結果、節子を救えなかったのではないかという罪の意識が消えません。
でも、実際にその場になるとそうなりがちです。
そうならなかった節子は強い人でした。
私にはとてもまねが出来ません。
このメールを読んで、節子の強さを思い出しました。
私よりも度胸のある、強い人でした。
Tさんは、以前、節子の「ひととき」の記事を読んでメールをくれた人です。
私たちの娘と同世代の女性です。
節子のおかげで、私もたくさんのことを学びましたが、今なお、いろいろな人からメールが届きます。
そのたびに、私にも新しい発見があります。
そして、どこかで誰かが、節子のことを知っていてくれると思うと、とても元気が出ます。
ご本人の了解を得ていないのですが、以前いただいたメールを紹介させてもらいます。
実は、私も奥様と同じ病気です。このメールを読んで、節子が「自分もがんばらなくちゃ」と言ったことを思い出します。
「まさか、30代の自分が?」と思いましたが、「まさか」ではありませんでした。
昨年の夏に手術をしまして、9月の中頃から仕事復帰しています。
医師からは「完全に治ったとは言えない」と言われていますが、今のところ、元気に毎日を過ごしています。時折、くじけそうになることもありますが、
「前向きに、前向きに」と自分を励ましつつ、毎日を送っています。
病気になってつらいことも多いですが、発見したこともたくさんあります。
自分自身が少し成長できたように感じています。
人間、どんな状態になっても学ぶことはあるのだなぁと再発見しています。でも、私はまだまだ気づいていませんでした。
夫の気持ちです。自分の気持ちを支えるに必死で、横で支えてくれた夫の気持ちをあまり考えていなかったように思います。
佐藤さんの投稿を読んで、あらためて夫もつらかったことに気づいたように思います。
(中略)
大事なのは「感謝」ですよね。
大事なことに気づかせていただいてありがとうございます。
「いいことだけ日記」ステキなアイディアですね。
奥様によろしくお伝え下さい。
そしてがんばってくれました。
本当にがんばってくれました。
Tさんに節子のエールが届くことを確信しています。
節子は、みんなの悪いものをみんな持っていくからと言っていましたから。
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