■「国の責任」
私にはよく理解できない日本語は少なくないのですが、
薬害肝炎訴訟事件や年金問題でよくいわれる「国の責任」も理解しがたい言葉です。
薬害肝炎訴訟事件では、国が謝罪するかどうかが問題になっていますが、
国が謝罪するというのは首相が謝罪するということなのでしょうか。
似たような表現はたくさんあります、
今日も病院のカテーテルの再利用が発見され、テレビでは病院が謝罪したと報道しています。
この場合は、病院の経営者もしくは医師が謝罪したというような意味でしょう。
企業不祥事で経営者が謝罪しますが、それを会社が謝罪したと表現されます。
私自身、時にこうした表現を使っているかもしれませんが、厳密に言えば、とても違和感があります。
組織や機関が謝罪できるわけないだろうと思うわけです。
しかし、自分が所属していない会社のことであれば、まあ受け入れられる範囲です。
それに会社や病院は、法人格がありますから、擬似的な表現としては何とか理解も出来ます。
国の責任や謝罪はどうでしょうか。
問題は「国」「国家」です。
主権在民の国民国家の場合、国の主体はだれなのでしょうか。
主権が託されているのが政府であるとすれば、そのトップにある首相が「国」なのでしょうか。
国が謝罪するとは首相が謝罪することであり、国の責任とは首相の責任なのでしょうか。
企業不祥事ですら社長が辞めるのであれば、こんな大きな事件であれば、首相も辞めるのでしょうか。
刑事訴追はあるのでしょうか。
これだけの事件であれば、懲役は免れないのでしょうか。
そういえば死刑になった首相もいましたね。
国が補償するという場合の財源は、いうまでもありませんが、国民の税金です。
その使途の権限を委譲している状況では、
どの程度の補償にするかはやはり首相が決められることなのでしょうか。
予算は国会で決めますが、やはり国会なのでしょうか。
とすれば、謝罪するかどうか決めるのも、国会議員なのでしょうか。
責任ももしかしたら国会議員でしょうか。
ぐだぐだ書いてきましたが、国の責任とか謝罪などという意味をみんなわかっているのでしょうか。
理解できないでいるのは私だけなのでしょうか。
もっとわかりやすい言葉で物事を考えていきたいものです。
国の責任や謝罪より前に、個人としての首相や閣僚、あるいは官僚の責任をこそ問うべきではないかと思います。
組織は責任の所在を隠すための仕組みではないはずです。
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