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2007/12/03

■模倣犯罪の刺激ではなく、模倣善行への刺激を

最近のニュースはどうも楽しくありません。
というか、何だか内容のない話ばかりのような気がします。
世の中にはもう少し意味のある事件はないのでしょうか。

もう半世紀ほど前のことですが、西ドイツであった話です。
テレビで放映された犯罪ドラマ「えり巻殺人」が評判になりました。
ところが、放映の後、1週間とたたないうちにえり巻による殺人事件が起こり、
結局8件のえり巻殺人事件が発生したのだそうです(「祝祭経済の時代」赤塚行雄)。
いわゆる「模倣犯罪」ですが、テレビの影響は強烈です。
そこで心配になるのですが、これほど毎日、殺人事件や放火事件が放映されることの影響はないのかということです。
学校のいじめ事件なども、私自身はかなり影響を与えているのではないかと思いますが、
マスコミはもう少し考えたほうが良いのではないかと思います。

ニュースというと、どうも暗い事件が多いのですが、明るい話題、感動する話題をもっと取り上げることが大切だと思います。
心洗われる善意の行為や元気が出てくる楽しい話、自分もやって見たいというようなちょっと良い話、そういう話題は社会にはたくさんあります。
非日常的なことだけが事件なのではないのです。
テレビでそうした話題がもっと取り上げられれば、それに刺激された「模倣善行」が拡がって行くような気がします。
少なくとも「明るい気分」は広がるでしょう。

テレビでできることはたくさんあります。
ニュースの取り上げ方ひとつでもいろいろな可能性があるはずです。
不正を正し、悪事を暴くのも必要ですが、
真似をしたくなるような気持ちの良い話を広げていくことも大切ではないでしょうか。

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