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2007/12/20

■自分でできることは何なのか

今日、あるシンポジウムに参加しました。
テーマは「早期に転職したがる新社会人の急増」。NPO人材アカデミーの主催です。
官界、政界、財界、教育界と実に多彩なメンバーによるパネルディスカッションです。

「七五三現象」という言葉はご存知でしょうか。
卒業入社後3年以内に離職するほとんどとの割合は、中卒で約7割、高卒で約5割、大卒で約3割なのだそうです。
労働力の流動化という面もありますが、これは働きたい人と働く場とのミスマッチということであり、ここまで離職度が高いと経済産業的にも企業経営的にも問題があり、社会的損失と言っていいでしょう。
もちろん働く本人にとっても決して望ましいことではありません。
これは結局は「労働市場における取引コスト」の問題ですので、とても興味ある問題です。
「取引コストとコミュニケーション」は私の以前からの関心事です。
そんなこともあって、そのパネルディスカッションのコーディネーターを引き受けました。

その内容はCWSコモンズのほうで少し紹介する予定ですが、皆さんの議論をお聞きしながら、印象的だったのは、ほとんどの人が問題を対象化して考えていることでした。
つまり自分は当事者にはなっていないということです。
発言者のほとんどは、いずれも社会の要職にいる方で著名な方も少なくないのですが、聴いていてどうも「観察的」「評論的」なのです。
コーディネーターとしての私の責任もあるのですが、みなさん自分の問題としてなかなか語ってくれません。
時代の文化を痛感しました。
問題は、私たちのこの生き方なのかもしれません。
唯一の例外は、一番若い経済産業省の人でした。
彼は自分の問題として自分でできることを明確に語ってくれました。
久しぶりに、とても気持ちのいい霞が関の官僚に出会えました。

今回はかなり進行役に徹したつもりですが、最後に一言だけ感想を述べさせてもらいました。
この状況をよい方向に持っていくために、それぞれでできることは少なくありません。
自分でできることは何なのかをぜひお考えいただきたいと思います。

社会にはたくさんの問題があります。
問題と気づいたら、それを論評するのではなく、その問題に関して自分ができることは何かないかを考える。
そういうことに自分の時間を少しだけ割いて、できることが見つかったら、小さなことでもいいから実践してみる。
みんながそんな生き方をするだけで、社会のほとんどの問題が解決していくのではないかと思います。
もちろん時間はかかるでしょう。
しかし30年もたてば、きっと効果が出てきます。
そう信じて、小さな一歩をそれぞれに踏み出すべき時期に来ている、そんな気がします。

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