■節子への挽歌146:湯島からの夕陽がとてもきれいです
節子
久しぶりに湯島のオフィスで夕方、仕事をしています。
1年ぶりでしょうか。いや、4年ぶりかもしれません。
節子が病気になってから、湯島のオフィスで夕方まで一人で仕事をすることはほとんどなくなりましたから。
オフィスから夕焼けがきれいに見えます。
節子と何度、この夕陽を一緒に見たことでしょうか。
最近は高層ビルが増えたため、見えにくくはなっていますが、ビルの向こうの夕焼けは美しい。
その美しさは、節子がいた頃は何となく甘い感じのロマンを感じさせてくれましたが、いまは寂しさをつのらせます。
同じ風景が、見る人によって、その時々によって、大きく変わるものです。
節子との最後の遠出の旅になった東尋坊の夕陽、
そしてその時お会いした、茂さんと川越さんの優しい笑顔を思い出します。
節子、あの2人は今も自殺予防のために活躍していますよ。
あの時の夕陽もすばらしかった。節子はとても喜んでいました。
私が茂さんたちに会えるなどとはあまり信じていなかったのかもしれませんが、とても感動的な出会いでした。
それもこれも、節子の応援で、全国のNPOを支援するコムケア活動をやっていたおかげです。
今もその仲間に、私は支えられています。
それに関しては、また書きましょう。
今日は夕陽の話です。
今日はめずらしく湯島のオフィスで仕事をしていますが、
言い換えれば、あなたがいない湯島で、やっと一人で過ごせるようになったということです。
誰かが来ている時には何ともないのですが、一人になると無性に節子のことが思い出されるのです。
このオフィスは節子と一緒に19年近く活動してきた空間です。
私たちの思い出がぎっしりと詰まっています。
壁に掛かっているリトグラフの「萌える季節」は、あなたが見つけてきてくれました。
2人ともとても気に入っていました。
それを見る度に、あなたの笑顔がその後ろに見えます。
あなたと一緒にいろいろな美術展にも行きました。
私はもう多分、美術展にも行くことはないでしょう。
あなたが隣にいないのであれば、行く意味がありません。
あなたの最後の仕事は、この部屋の改装でした。
その途中で、節子はオフィスには来られなくなってしまいました。
だから改装途中なのですが、そのままにしています。
あなたが自分で塗装するといって用意したペンキもそのままです。
いつかまた節子がふいに戻ってきて、仕上げてくれるかもしれませんから。
夕陽が沈んでしまいました。
夜は今も怖いです。
年甲斐もなくと笑われそうですが、本当に怖いです。
仕事の途中だったのですが、あなたへの挽歌を書きたくなってしまいました。
*これは昨日の6時前に書きましたが、ブログへのアップは1日遅れてしまいました。
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