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2008/02/20

■伊奈輝三さんの生きざま

昨日、記事を書いた後、なにか感動的な話を最近見聞していないか考えてみました。
そういえばと思って、探し出したのが日曜日の朝日新聞の「ひと」欄にでていたINAX名誉会長の伊奈輝三さんの話です。
伊奈さんは伊奈製陶からINAXへの社名変更を推進し、事業戦略や企業文化そのものを大きく変えた社長でした。
私が東レ時代にCIに取り組んでいたのと同じ時期に展開していましたが、その取り組みは見事でした。
私は会社を辞めた後、3か月、朝日ニュースターというCSテレビで、経営者にインタビューする番組をやったことがあります。
経営者10名ほどに会いましたが、一番感銘を受けたのが伊奈さんでした。
どこに感銘を受けたかというと、その生き方と考え方でした。
とても大企業の社長とは思えない、心の余裕がありました。
CWSコモンズで一度書いたことがありますが、私が犬を飼い出した時に、年賀状で「息子ができました、但し犬ですが」と書いたら、電話で「ほんとに犬なの」と訊いてきたことを思い出します。
そんな人でした。

その伊奈さんが、いま、地元の常滑市に開港した中部国際空港で案内ボランティアをやっているということが、「ひと」欄で紹介されていました。
学生や主婦などとまじって面接まで受けて、案内ボランティアとして受け入れられ、3年前からやっているのだそうです。
昨年秋には、すべての公職を返上し、偉い人扱いの一切ない、ボランティアを楽しんでいるそうです。
伊奈さんであれば、正真正銘、そうだろうなと納得できます。
海外旅行から帰ってきた昔の知人に会って、驚かれることもあったそうです。

ボランティア仲間の元会社員の人は、その記事の中でこう言っています。
「肩書や地位にしがみついていては、ボランティアはできない。うちの社長じゃ無理」。

社長の謝罪風景ばかり見ている昨今、私にはとても気持ちが明るくなる話でした。
こういう人にこそ、企業の経営を任せたいものです。

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