« ■節子への挽歌184:長崎からの手紙 | トップページ | ■中国の軍備増強と職場のいじめの蔓延 »

2008/03/04

■日本の公務員は多すぎないでしょうか

日本の現在の人口は約12800万人です。
そのうち、公務員と言われる人の数は、2年ほど前の数字ですが、400万人です。
400万人の人の給与は、基本的に12800万人の税金から支払われています。
公務員の給与は、最近は民間平均よりも高いと言われていますが、ある調査では年収で600万円とも800万円とも言われます。
公務員を除く12400万人が400万人の公務員を雇用していると考えると、約31人の国民(乳幼児を含めて)で一人の公務員を雇っていることになります。
年収700万円とすれば、一人22万円の負担になります。
かなりいい加減な数字ではありますが、3人家族であれば、60万円以上を負担していることになります。
どこかに間違いがあるかもしれませんが、私自身はこうした状況が前から気になっていました。
公務員が多すぎると思うのです。

公務員が国民のために仕事をしているのであれば問題はありません。
しかし昨今、明らかになっているように、必ずしもそうではないようです。
国民年金のお金がホテルなどに転用されたのは、おそらく仕事が暇だったからでしょう。
パーキンソンの法則ではないですが、人がいれば必ず仕事は発生します。
仕事があったから公務員が増えたのではなく、公務員が増えたから仕事が増えたのです。
そこには、国民のための仕事という意識は希薄だったはずです。
その証拠は、最近、山ほど出てきています。
彼らの仕事観は、民間とは全く違います。
公務員個々人が悪いというわけではありません。
仕組みが悪いのです。

財源がないなどという前に、そうした基本構造を再検討したほうがよいように思います。
財源がなければ公務員を半減すればいいだけの話です。
民間企業はそうしてきています。
もちろん半減要因には議員も入ります。
今の国会議員であれば、10分の1でも十分でしょう。

もちろん一挙にはできないでしょうが、10年かければできるでしょう。
そうした発想が、いま必要なのではないかと思います。
念のためにいえば、だから民営化が必要なのだということにはなりません。
それは全く別の話です。

以前、フォスタープランの里親をやらせてもらっていたことがあります。
ところが、里親の拠出金の大半は、その活動のスタッフの費用になることがわかって驚いたことがあります。
そうならないための仕組みを考えるべき時期に来ています。
IT技術は、そうしたことのために、大きな威力を発揮できそうに思います。

|

« ■節子への挽歌184:長崎からの手紙 | トップページ | ■中国の軍備増強と職場のいじめの蔓延 »

行政時評」カテゴリの記事

コメント

「日本の公務員が多すぎる」というのは間違った認識です。
実際は、人口に占める公務員の割合は先進国の中で日本が最低クラスです。

以下のようなソースに数字で載っていますが、漠然とした先入観や印象だけで
書いてらっしゃいませんか?
http://www.oecd.org/dataoecd/62/60/44620934.pdf (P.5のグラフ)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_31.html#Komuin

もちろん、官僚・公務員に関して改善すべき問題があることは確かでしょうが、
“とりあえず悪者扱いで叩いとけ”的な風潮は良くないと思っています。

※ちなみに私自身は公務員ではなく自営業者です。

投稿: yoo | 2011/04/24 10:41

yoo さん
ありがとうございます。
公務員が多すぎると思うのは私の感想です。
そういう思いの背景は、20数年前からいくつかの自治体行政の改革や職員研修などの仕事をさせてもらったり、NPO活動や住民活動にとりくんできたりしながらの実感です。
もちろん私が住んでいる地域での行政との付き合い、あるいは、それ以前の会社員時代の中央官庁との付き合いも影響しています。
記事でも書きましたが、問題は仕組みだと思っています。
誤解されそうな言い方になりますが、「公務」ができない状況に置かれている行政職員が少なくないようにも思います。
住民活動や市民活動をしていて、公務員のあり方を見直す必要があるという感ずることもあります。

それから国際比較のデータは、条件や文化を含めて比較しないと危険だというのが私の考えです。
yoo さんがご指摘するように、印象で書いていますが、先入観では書いていないつもりです。

私は基本的に自分で見たものと感じたことをベースに言動しているつもりです。
しかし、もしそう読めないとするとしたら、反省しなければいけません。
さらに心するようにします。
ありがとうございました。

投稿: 佐藤修 | 2011/04/24 11:21

丁寧なレス、ありがとうございます。

端的に言って“個人的経験以上の根拠は無いが、公務員が多すぎだと思う”ということですね。
そういった佐藤様の印象自体を否定する気はありません。
一概に数値だけで比較すべきでないのも、仰る通りだと思います。

ただ、今の世の中、ネット検索ですぐにわかる程度のデータさえも調べず、印象だけが
一人歩きして世論に影響するケースも多いように思います。(この問題に限らず)
やはり議論のベースとして、客観的な数値を把握しておくことも重要だと思っています。

さしあたり私のコメントはこれで最後です。
掲載していただき、ありがとうございました。

投稿: yoo | 2011/04/24 18:14

yoo さん
ご指摘には異論はありません。
ありがとうございます。
以下は反論ではありません。
あんまり潔くないですが、弁解です。

この問題にはそれなりの関心もあるので、それなりにOECDのデータなどは確認してはいるのです。
一応、行政改革を仕事の一部にもしていましたので。
ただ欧米と日本では公務員の定義がかなり違うように思います。
その読み方は、論者によってかなり違っていたような記憶があります。
かなり前のことなので、間違っているかもしれませんが。
最近話題の天下りの外郭団体も考慮しなければいけないかもしれません。
また、日本を含めアジアは市民社会依存性が欧米に比べて高い社会構造になっています。
これに関しても調査データには当たっています。
これも比較は難しいですが、参考にはなります。
データは、条件をそろえて考えないと比較は難しいように思います。
それによそに比べて多いとか少ないとかいう議論にも落し穴があるように思います。
比較する国家を変えれば、また違った印象も出てきます。
私は、自分の目と頭で評価することを大事にしていますが、それが唯我独尊、独善的になる事は気をつけなければいけないと思っています。
しかし、たぶんこのブログの記事の多くは、独善的だろうと思います。
なにしろプライベートを露出するのがこのブログをはじめた理由ですので。

しかしだからといって、データを無視するとおうわけではありません。
きちんとした議論をする場合にはデータに言及することは必要だと、私も思います。
異論はありません。
この記事でも、少なくともその旨、言及しておけば、よかったと反省します。

反論と受け取られると悪いので躊躇しましたが、
書かせてもらいました。
データはちゃんと確認する必要があるというyoo さんの指摘には同感です。

コメントに感謝します。

投稿: 佐藤修 | 2011/04/24 19:00

諸外国と比べることがどこまで意味があるかは疑問です。
例えばフランスやドイツは鉄道も国営なので、国鉄職員も公務員に含まれます。もし日本でもJR従業員を公務員に数えたら、かなり増えますよ。さらに、日本の場合は、民生委員、消防団、など、欧米では行政が行なうことも民間人が自主的に、あるいは、役所と協力して、行なっています。

さらに、根本的に、欧州諸国は、「大きな政府」といって、あれもこれも官がやる、その代わり税金が重い、という体制になっています。一方、日本は伝統的に「小さな政府」で民間重視です。お上に依存せずに、自分たちのことは自分たちでやる、という考えですね。

そのことが日本の発展を支え、家計の貯蓄が世界一という豊かな国を生みだしました。

日本の伝統である小さな政府を守るためにも、公務員の数はできる限り抑えて行くべきだし、さらに進んで削減できるなら素晴らしいことだと思います。

日本人の自由と自立の伝統に鑑みれば、日本の現状でさえ、公務員は多過ぎると思います。
道州制にして半分くらいに減らせば、かなり効率的になり、政府の財政も再建できるので、素晴らしいと思いますね。

投稿: win | 2011/09/18 16:27

winさん
ありがとうございます。
私も海外との比較にはあまり意味を感じません。
大切なのは、自分の目で確認した素朴な感想が、私の判断の基本です。
公務員は多すぎるだけでなく、効果的な仕事をしていないのが、もっと気になっています。

投稿: 佐藤修 | 2011/09/19 20:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■日本の公務員は多すぎないでしょうか:

« ■節子への挽歌184:長崎からの手紙 | トップページ | ■中国の軍備増強と職場のいじめの蔓延 »