■そんなの関係ねえ政権と分離社会の進行
山口県の衆議院補選は民主党が大勝しました。
しかし政府の対応は、まさに「そんなの関係ねえ」とばかりに、既定路線を走っています。
現政府には歳入確保と歳出削減が至上命題のようです。
幹事長は、「きちんと説明すれば、賢い国民はわかってくれる」と明言されていますが、彼らにとって「賢い国民」とはだれなのか。
この表現にこそ、「そんなの関係ねえ」発想を感じます。
最近、政権と国民がどこかで切れている感じがしていたのですが、どうもそうではなく、「切っている」のが実状かもしれません。
切らなければいけなくなってきたのでしょうか。
そういう視点で見ていくと、切り捨てることで成り立っていることが増えてきているように思います。
聖火リレーも「切った」おかげで何とか実行できました。
しかし「何かを切り捨てること」は、同時に「壁をつくって、その内部は結束すること」でもあります。
格差社会の進行も問題ですが、そうした分離社会の進行にも不気味さを感じます。
自分たちのことは過剰に防衛するのに、外部のことは「そんなの関係ねえ」と無視してしまう風潮は永続きしないでしょうから。
聖火リレーが長野で行われた日、善光寺ではチベット暴動の犠牲者の追悼法要が開かれました。チベット族か漢族かを問わず暴動で犠牲となった数十人の名前が読み上げられたそうです。そこでは「切り捨て」とは別の動きもあるわけです。
テレビで見る、リレー走者と追悼法要の僧との表情の違いがとても印象的でした。
切り捨てる側と切り捨てられる側を象徴しているような気がしました。
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