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2008/04/24

■節子への挽歌235:篠栗四国の霊能祈祷師の庄崎良清師

福岡県篠栗町。
北部九州には霊能地帯と言われるところが少なくないですが、ここは小豆島四国、知多四国と並んで有名な霊場「篠栗四国」と言われています。
八十八ヶ所の札所がありますが、そのなかで特異な存在が二十八番大日寺です。
そこの霊能祈祷師の庄崎良清さんは有名で、相談に来る人が行列をなしているそうです。

そうした霊能祈祷師の話はこれまでも何回か聴きましたし、節子のことで相談に行こうかと思ったこともなかったわけではありません。
いずれも遠隔地だったのと、私以上に合理主義だった節子は元気だった頃はあまり乗り気でなかったのも事実でした。
その種の世界はどちらかといえば、私には親近感がありましたが、わが家族はどちらかと言えば無関心でした。

節子に奇跡が起こり出した時、実は加野さんが庄崎師にお願いして回復祈願をしてくれるはずでした。
しかし間に合いませんでした。
節子の回復祈願のために、お神酒と塩と供物が届きましたが、その時、まさに節子は旅立ったのです。
その後、その庄崎良清さんのことも私はすっかり忘れていました。
人間は勝手なもので、困っている時には何にでもすがりたくなりますが、終わってしまうとその反動がきます。
そうした人間の身勝手さを、私は今回自分自身に関して強く体験しています。
私自身の身勝手さには、我ながら呆れるほどです。

今回、加野さんを訪ねることにしたら、加野さんが節子の声を聴きに行こうと行ってくださった時、すぐに庄崎良清さんだと思いましたが、それほど乗り気にはなれませんでした。
それは霊能や祈祷を信じないからではありません。
むしろ私はそうしたものの存在を微塵も疑ってはいません。
だからこそ触れたくないという気がしています。
節子の声が聴けたらどんなに嬉しいかとも思いますが、
聴けばおそらく絶対に失望するだろうとも思っていました。
おかしく聞こえるかもしれませんが、私と節子のつながりは、霊能祈祷師と言えども割り込んでくる隙などないことを確信しているからです。

加野さんは、しかし有無を言わさずに私を篠栗に連れていきました。
大宰府からタクシーに乗ると雨が強くなりました。
30~40分くらいかかったでしょうか、大日寺に着くと雨が強くなりました。
大日寺は山の上にあります。
いつもは早朝から相談に来る人が列を成しているのだそうですが、今日はお休みの日だったので庫裏のほうには一組の人たちがいるだけでした。

途中のタクシーの中で、加野さんから少しお話を聴きました。
庄崎良清師は女性でした。
しかもかつてはクリスチャンでした。
隠れキリシタンの伝統を引く福岡県の今成の出身だそうです。
1986年、啓示を得て得度し、その後、無人の寺になっていた大日寺を任されたのだそうです。
そのあたりのことは、「おみくじ」という本に詳しく書かれています。
今回いただいてきました。

もうひとつは、その寺がたくさんの花で囲まれていることでした。
ランが多いのですが、そのすべてを師ご自身が丹精を込めて毎年咲かせているのだそうです。

その二つの話をお聞きして、私の関心は急に高まりました。
タクシーをおりて、お寺にはいると雨がますます強くなりました。

長くなったので、続きは明日にします。

節子の涙
経験したことがないほどの疲労感

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