■社会が壊れ出しているのでしょうか
福岡に行っていました。
いろいろと刺激を受けてきましたが、期せずしてお会いした2人の方から、社会が壊れだしているのではないかと思わせる話をお聞きしました。
一人は福祉の世界で活動している方ですが、福祉に関わる行政の人たちが仕事をしていないのではないかという話です。
もう一人は新聞社OBの方ですが、最近のマスコミはおかしくなっているというのです。
そういえば、最近、誰と会っても組織がおかしくなってきているという話がよく出ます。
みんなおかしさを実感しているようです。
最近の社会は一体どうなっているのかと不安ですが、身近な所を見ても、いたるところで組織や制度が壊れてきているような事象を指摘できます。
自然界の中では、全体と部分が相似的な構造になっている事例が多いといわれます。
それをフラクタルと呼んでいますが、その現象は自然界に限りません。
むしろそうしたフラクタル現象は、人間社会に多く見られるように思います。
身近に感じられるおかしさが、実は社会全体に蔓延し、社会そのものを壊し出しているのではないか、そんな気がします。
社会が壊れ出しているということは、社会の構造原理が壊れ出していることです。
おそらく個別の組織や制度の変革で対応できることではないでしょう。
社会のさまざまな組織や制度は、ホロニックにつながっているからです。
行政や企業が壊れ出しているのは、その表層的な現れの一部でしかありません。
社会を正す方策は、私たち一人ひとりの生き方を正すしかないように思います。
気が遠くなりそうな気もしますが、社会を正すのは自分の生き方を正すしかないのだという気がしてきました。
60年かかって壊れたものを直すには、その倍の120年くらいはかかるでしょう。
私のわずかな老後は、壊れた社会で生き延びなければいけないようです。
しかし子どもたちのために、せめてベクトルだけは変えて行く努力はしたいとは思っています。
これまでの60年、何をしてきたのか、全く無念でなりません。
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