■ガソリンの価格設定
最近また書く気を少し失っています。
それで今日もまた「無駄話」の類です。
ガソリン暫定税の廃止によって、ガソリンスタンドは小売価格をどうしようか迷ったようです。
しかし、迷う必要は全くなく、対応策は一つしかありません。
それは「出来るだけ早く価格を下げること」です。
これは自明のことですが、必ずしもそうはならなかったようで、税金がかかっているガソリンの在庫がある間は値段を下げないという所もあったようです。
そんな対応策はありえないはずですが、現にそうした選択を取る会社があったのは驚きでした。
なぜありえないかは説明するまでもないでしょう。
価格据置にしておくといつになっても売れないからです。
その結果、税負担のないガソリンまで売れなくなります。
しかも価格は次第に安くなりますから、いつになっても売れ残ります。
値下げの決断が遅ければ遅いほど、損失は大きくなります。
そんなことは、少し経営を知っている人は即座に分かります。
いくら下げるかも簡単な問題です。
15円下げるのが正解です。
消費者は即座に25円下がるとは思っていません。
でもまもなく25円下がることを知っています。
そうした状況で、15円下げれば、下がったという印象と売り手が損をしていると印象が残ります。
丸々25円下げたところもありますが、それは下げすぎですので、消費者からは馬鹿にされかねません。事実、馬鹿なのですが。
ここは「痛み分け」でなければいけません。
万一また暫定税率が復活したらどうでしょうか。
今度はできるだけ値上げを遅くするのが正解です。
最後の顧客が継続客になりえるからです。
まあ、どうでもいい話を書きましたが、この例にわかるように、世の中の価格設定の仕方は、ちょっと冷静に考えると間違っていると思われることが多々あります。
特に開店○周年の特売などで慣れない割引販売をする時に奇妙な価格設定が行われます。
わが家の近くのケーキ屋さんの周年特売は設定を間違えて、早々と売切れてしまい、わざわざ来店した人を失望させました。
顧客感謝ではなく、顧客に不快な思いをさせてしまったわけです。
安くすればいい話ではないのです。
ガソリンスタンドは薄利商売で存続が難しいと言われますが、存続が難しいのは薄利のせいではなく、考えていないだけの話かもしれません。
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コメント
佐藤さん、こんにちは。ご近所の坂谷(鈴木)信雄です。
>安くすればいい話ではないのです。
>ガソリンスタンドは薄利商売で存続が難しいと言われますが、存続が難しいのは薄利のせいではなく、考えていないだけの話かもしれません。
佐藤さんのご自宅からも近くだとおもいますが、沼沿いの道を柏方面に行くところにあるガソリンスタンドの話です。(ローカルネタですみません。)
3月末で閉店となりました。
4月からの値下げをまっていた坂谷の父は、ガッカリです。セルフスタイルのガソリンスタンドが増えるなか、その店は従来どおり店の人が給油してくれていました。
昨年喜寿の老父は、退職後免許をとり、店の人が給油してくれる店しか、利用したことがなかったので、困っています。確かに、もう免許を返上させた方がいい歳なのかも、しれませんが、近くには、小さなスーパーや商店がなく、車でないと、なかなか、買い物もいけません。
確かに、給油の時、ドライバーが自分で給油する店の方が、安くお客がくるのでしょうが、困っています。仮に40リッターをいれて、1円ちがった場合で、差は40円、この40円で多くのお客は動くのですね。(私も考えなく、そう動くほうなので、偉そうにはいえません。)
投稿: 坂谷(鈴木)信雄 | 2008/04/10 00:29
坂谷さん
ありがとうございます。
あのガソリンスタンドは人気が高かったのですが、経営的には大変だったのでしょうね。
そういえば、坂谷さんの家の近くに、一時、産直のお店が出来ましたが、なぜか場所を移動させられたようですね。
あれが続いていれば、お父上はだいぶ便利だったのではないかと思います。
我が家の近くに移って来たので、わが家には好都合ですが、経営的にはやはり難しいようです。場所が悪いからだと思いますが、坂谷さんの近くだったら良かったのではないかと思っています。
いろいろなことが住民や関係者の都合とは違ったところで動いているような気がして残念です。
当事者がもっと動かないといけないのでしょうが、それもなかなか大変です。
便利な人はますます便利に、不便な人はますます不便に、というように、ここにも格差社会が感じられるような気がします。
投稿: 佐藤修 | 2008/04/28 11:32