■権力を持てばなんでもできる世の中
暫定税率の復活で道路はまたつくり続けられることになりました。
世の中に「必要」でない道路などありませんから(道路はそれぞれの地域にあって、客観的な相対評価はできませんし、誰も通らなくても必要である理由付けをすることは簡単です)、どんどんできていくでしょう。
第一、道路が必要かどうかよりも、道路を建設することが必要だというのが、宮崎県知事をはじめとした人たちの考えの根底にありますから、誰も通らない道路を長い時間をかけてつくるのが政治家の手腕です。
宮崎県や和歌山県の政治家は見事に成功したわけです。
まあ、それはまた別の話ですが、視点を変えれば、道路族の本質が見えてきます。
道路が出来た頃には、私たち運送業者は倒産しているかもしれないと、ある人がテレビでコメントしていましたが、私の近くのガソリンスタンドも倒産しましたし(理由は違うかもしれませんが)、現実味のあるコメントです。
スタグフレーションの到来を危惧しますが、国民とは袂を分かった政治家たちには無縁な話なのかもしれません。
ガソリン税が上がるとどうなるでしょうか。
目先の歳入は増加し、行政や政治の無駄は継続できる条件が整いますから、行政改革はまた形だけのものになるでしょう。
ガソリンの上に成り立っている物価体系は上昇しますが、それにリンクしている消費税収入は上昇します。
この雰囲気の中でさまざまな商品の値上げが続くでしょう。
これまでがんばってきた生産者や販売者は、がんばるのが馬鹿らしくなってきているはずです。がんばっても報われないという現実が多すぎます。
今ならお客様は仕方がないと値上げを受け入れるでしょうから、いろいろな形で値上げが進みます。
スーパーなどに買物に行くと実感できますが、すさまじいほどの値上げが行われています。
にもかかわらず感覚的にはみんな麻痺してきているように思います。
かりに商品が10%値上がりすれば、消費税率1%上昇に相当します。
その増収分はまた政治家と行政の無駄に繋がっていくのかと思うと、彼らのしたたかさに感心してしまいます。
こうしたことの結果、社会は壊れていき、どこかでツケを払うことになるでしょう。
そのツケの払い方も、彼らは良く知っています。
20年前のバブル崩壊で見事にそれを逆手にとって、不良債権処理や産業再生でツケを払わせる仕組みをつくり、そのツケの中からピンはねすることに成功しました。
その結果が格差社会の顕在化です。
とまあ、こうやって議論を広げていくと際限がありません。
今回の暫定税率再可決は、政治の死、良識の死のように感じます。
権力を持てばなんでもできる世の中に戻ってしまったような気がしますが、それを支える構造ができてしまっているようです。
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