■節子への挽歌243:毎朝、なぜか明け方に目が覚めます
節子
あなたがいなくなってから変ったことがあります。
毎晩、明け方の5時頃に目が覚めるのです。
それからしばらく眠れないのです。
いつも1時間くらい、いろいろと考え事です。
6時頃にはまた眠ってしまい起きるのは7時過ぎです。
どうして明け方に1時間、目が覚めるようになったのでしょうか。
目が覚めると、隣に節子がいるような錯覚を感ずることがあります。
そして、なぜ節子はいないのだろうかと考えてします。
枕元にある写真をみると、今でも節子がどこかにいるように感じてしまいます。
節子にまた会えるという確信のようなものが、今でも私の心身のどこかにあるのです。
節子の写真を見ていると、生身の節子が私を取り囲むような気もします。
これはきっと体験した人でないと理解できないことでしょう。
愛する人とは決して別れることはないのです。
明け方の目覚めは、節子が呼んでいるのでしょうか。
節子が私にいろいろなことを思わせているのでしょうか。
眠りへのつき方も変りました。
私たちは寝る前にベッドの中でいつも話をしていました。
寝る前の節子との話は、どんないやなことがあっても、すべてを忘れさせてくれる不思議な効果がありました。
時々は、喧嘩をして、無口のまま、お互いに寝ることはありましたが、その時でも隣に節子がいることは私の幸せでした。
話した後、私は本を読む習慣がありました。
まあせいぜい10分ほどなのですが、その明かりの中で節子は眠るのが好きでした。
明るくてごめんね、というと、節子は隣の修が見えるので安心して眠れると言いました。
時に節子が私よりも遅くまで起きていることがありましたが、私はそれが嫌いでした。
節子が起きていると眠れないのが、私でした。
それで喧嘩になったこともありました。
私たちはよく喧嘩もしました。
なぜか謝るのはいつも私でした。
最近は話す相手もなく、寝るのが寂しいです。
前と同じように、10分ほど本を読みます。
それから部屋のテレビを30分のタイマーをセットして消灯です。
テレビの音声を聞きながら、いつも30分以内に眠っています。
節子は、テレビよりもラジオが好きでした。
私もラジオにしようかと思いますが、まだ節子のラジオを使う気になれずにいます。
たくさんの思い出がありすぎて、スイッチをいれられません。
節子
また一緒に眠り、一緒に目を覚ませる日が来ることを信じています。
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