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2008/05/25

■「世代間の対立をあおらないでください」

テレビで枡添大臣に樋口恵子さんが、世代間の対立をあおるようなことを言わないでくださいと苦言を呈していました。
後期高齢者医療制度は、世代間の負担をどう分け合うかの問題のような説明がよくなされますが、私にはこれが全くわかりません。
福祉行政の分野で世代間対立が話題になりだしたのは、私の知っている限りでも30年前からだと思います。
その頃から、世代間対立ということが理解できませんでしたが、最近はそんなものはありえないことだと確信できました。

日本人とアメリカ人の対立はわかります。
国籍を変えることはできますが、ほとんどの人は一生をどちらかで過ごすからです。
しかし、世代は違います。
現在の若者も、60年後には後期高齢者になるわけですから、中長期的な問題においては、対立は成り立ちません。
そして福祉は、間違いなく中長期的な問題です。
福祉の世界での世代間対立は、若い世代にとっては未来の自分との対立です。
どう考えてもおかしいです。

後期高齢者医療保険の保険料は将来的にはかなり上昇するようです。
つまり、50代の人は目先はちょっと負担が少なくなるかもしれませんが、将来は負担が大きくなるわけです。
負担を増やしたくなければ長生きしないことです。
実に恐ろしい論理が、福祉の世代間競合論議には含まれています。

昨今は、ノー・ロングタームの嵐が吹いていますが、郵政民営化のように後になって後悔しないように、少しロングタームに考えてみることが大切ではないでしょうか。

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