■人件費が安い中国こそ高級品の生産地
先週のある集まりで、中国で有機農業が広がりだしているという話をお聞きしました。
この話を聞いて、ハッとしました。
中国は人件費が安い、だからコストダウンができるので安い商品を生産するための適地だ、と私はこれまで考えていました。
その発想で行くと、中国産の商品の特徴は「安価」ということになります。
しかし、人件費が安いということは、もう一つの側面があります。
人手をかけることができるということです。
日本で人手がかかる有機農業は難しいでしょうが、中国であれば人手の投入が相対的にやりやすく、手間暇かけた安全で美味しい食材が創れるはずです。
つまり、中国はバリューアップした高価な商品を生産する適地なのです。
その発想で行くと、中国産の商品の特徴は「高級」ということになります。
どちらを起点に置くかで、全く違った考え方ができるわけです。
昨今の経済は、小売段階が価格設定のイニシアティブをとっており、前に書いたように「価格-利益=原価」というコストダウン路線が産業の主流になっています。
しかし、発想を逆転させて、「原価+利益=価格」という枠組みで商品作りを考えれば、日本とは全く違った商品戦略が構想されるはずです。
視点をちょっとずらすだけで、世界の見え方は変ってきます。
中国の見方を変えなければいけないと思いました。
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