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2008/06/07

■居酒屋タクシー事件に思うこと

中央官庁の官僚たちが深夜帰宅で使ったタクシーの運転手から現金や商品券などを受け取っていた事実が話題になっています。
「居酒屋タクシー」と呼ばれているそうですが、ビールのサービスを受けてどこが悪いのだと思う人もいるでしょう。
事実、当の官僚たちの多くはそう受け止めたようです。
国土交通相さえもが、なんで問題にされるのかといわんばかりの、歯切れの悪いコメントでした。
官僚に助けてもらっている閣僚たちの立場がよくわかります。
そうした閣僚に、公務員制度改革などできるはずがありません。
当の官僚の助けをもらって形は一応整えましたが、ほとんど意味はないでしょう。

それにこうしたことが行われていたのは今に始まったわけではなく、おそらく多くの人たちが知っていたことでしょう。
マスコミで話題になるような話は、ほとんどはその世界ではよく知られた話であることが多いのがこれまでの実状です。

今回の事件で気になるのは、当事者も関係者も、たいした問題ではないと思っていることです。
それは彼ら官僚に限らずに、社会全般の風潮もそんなように感じます。
ですから、世間もたぶんまもなく忘れてしまうでしょう。
同じような種類の、違った問題がまた次々と出てきて、マスコミの関心事はそちらに移るような気がします。
マスコミはうまく利用されてしまっているだけかもしれません。

しかし、問題は一つずつ解決していくべきです。
今回の問題の解決は、その気になれば至って簡単です。
問題の本質は、官僚がタクシーでなくては帰れないような時間まで仕事をしていることです。
その根幹を考え直せば簡単に済む話です。
勤務時間中に仕事を終えられない無能な人は解雇すればいいだけの話です。
そのために勤務時間はあります。
日本の官僚の能力はたぶん民間人に比べてはかなり低いと思いますが(アウトプットは高くてもアウトカムは低いでしょう)、それでも最終電車に間に合うくらいには仕事を終えるのが常識と言うものです。
真面目に仕事をし、最小限の常識と質無能力があれば、それは可能なはずですし、可能でないとすれば体制がおかしいのです。
官僚が役所で何をしているか、一度きちんと調べればわかるはずです。
官僚出身者はおそらくその実態を知っているはずです。
誤解があるといけませんが、彼らが忙しいことと作業能力は高いことは否定しません。
しかし、簡単に言えば、誠実に生きている人たちに役立つ仕事はしていないということです。
ミッションを履き違えているといってもいいかもしれません。
それは単に無能で怠惰だからです。志などほとんどないはずです。
そうでなければ今のようなことにはなりません。

もちろん勤務時間中には終わらないこともあるでしょう。
そのため深夜まで仕事をしていて、帰るのが午前さまなので、翌朝は10時出勤になるわけですが、それも時間帯を3時間前倒せばいいだけの話です。
7時に出所して、11時に帰ればいいのです。
公共機関を使えるはずですし、環境問題の面からもそうすべきです。
もし環境問題に、庶民程度には真面目に取り組もうと思うのであればですが。

国会議員への対応のために夜型でないといけないという意見があるかもしれませんが、時にはそうした事態もあるかもしれませんが、今のように常態になるはずはありません。
夜遅くまでこうこうと電気がついている役所に巣食っている人たちは、恥を知るべきでしょう。
真面目に仕事をしていないか、無能で怠惰な証です。

いささか論理の飛躍があるかもしれませんが、素直に考えれば大筋は間違っていないはずです。
官僚のやっていることの実態は、年金問題でみんなわかったはずですが、年金関係は例外だと思っているのが、残念ながら今の社会の常識です。
お上信仰がいまなおあるのです。
あれは例外ではなく、多くの役所の実態なのだと思います。
役所と付き合っている人は、そう思いませんか。

今回の件で言えば、まずはタクシー券を無くすべきでしょう。
それで問題はほぼ解決です。
最終電車に乗り遅れたら自己負担にすべきです。
せめて1割でも自己負担するべきです。
そうすれば役所の電気代も削減できるでしょう。

最近の派遣労働者は、通勤交通費も時に負担させられるのです。
そうして苦労して働いている人の税金で、仕事をしていることを思い出せば、今のような自堕落な勤務態度は恥ずかしくなるはずです。

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コメント

はじめまして。拝読しました。
1.「問題の本質は、官僚がタクシーでなくては帰れないような時間まで仕事をしていることです」→正しいですね。
2.「勤務時間中に仕事を終えられない無能な人は解雇すればいいだけ」→解雇は一番過激ですね。穏健策として、人員の増大は考えられないか?(公務員の定員が削減されていることぐらい、知ってますよね?)
3.「深夜まで仕事をしていて、帰るのが午前さまなので、翌朝は10時出勤になるわけですが、それも時間帯を3時間前倒せばいいだけの話です。7時に出所して、11時に帰ればいいのです」→世の中、環境問題だけではありません。時差通勤で、快適に通勤することのどこが悪いのですか?朝7時に出所しても仕事はないだろうに(夜遅くだと仕事があるということが問題)。
4.「国会議員への対応のために夜型でないといけないという意見があるかもしれませんが、時にはそうした事態もあるかもしれませんが、今のように常態になるはずはありません。」→証拠は?常態でなくても、大気のために残業していることぐらい、わかるだろうに。休会時間を設定する法案を作ることを提言すべきですね。
5.「最終電車に乗り遅れたら自己負担にすべきです」→仕事の費用ぐらい使用者に出させて何が悪いのかなぁ。
6.読めば読むほど、この記事を書いた人が「無能で怠惰」で、私のこのコメントを読まれたならば、「自堕落な」執筆「態度は恥ずかしくなるはずです。」

投稿: 清高 | 2008/06/07 22:12

コメント、ありがとうございます。

>解雇は一番過激ですね。
そうですね。解雇は避けるべきでしょう。問題は定員の削減ではなく、ミッションと仕事の見直しかもしれません。

>時差通勤で、快適に通勤することのどこが悪いのですか?
悪いことはありません。わたしもかつて朝7時にはオフィスに着く生活をしていましたが、まさに時差出勤で快適でした。

>朝7時に出所しても仕事はないだろうに
たぶんやまほどあるでしょう。夜やるのを朝やるだけですから事情はそう変らないように思います。私の場合はそうでした。

>今のように常態になるはずはありません。」→証拠は?常態でなくても、大気のために残業していることぐらい、わかるだろうに。休会時間を設定する法案を作ることを提言すべきですね。
議員対応が官僚の主な仕事とは考えていませんでした。
20年前には確かによく彼らと大義を語りましたが、最近はあまりそれを感じません。
20年ほど前に大蔵省の田谷主計官と話した頃から時代が変ってきたように思い、私自身の官僚へのイメージは一変しました。

>読めば読むほど、この記事を書いた人が「無能で怠惰」で、私のこのコメントを読まれたならば、「自堕落な」執筆「態度は恥ずかしくなるはずです。
全くそうですね。自堕落な状況を脱しなくてはいけませんね。
努力はしているのですが、まだ成果が出てきません。
コメントにはいろいろと教えられることが多いです。
ありがとうございました。

投稿: 佐藤修 | 2008/06/08 08:20

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