■一つでもいいからきちんとけじめてほしい
居酒屋タクシー問題の調査結果と処分が発表されました。
しかしけじめはついていないというべきでしょう。
この問題は15年?ほど前の官僚の過剰接待問題の時にもわかっていたはずです。
当時、私も時々、仕事先の企業が用意してくれたタクシー券で帰ることがありました。
そこで運転手と会話していて、驚くべき話をいろいろと聞きました。
その多くは、最近話題になっているような話です。
白紙のタクシー券を渡してペイバックしてもらうとか、自宅と正反対のほうを経由して帰宅するとか、といった話はよく聞きました。
官僚の過剰接待の事件化で、そうしたことはなくなったのだろうと思っていました。
しかし、なくなってはいませんでした。
こういうことが実に多いです。
マスコミが話題にし、関係者も解決を約束したにもかかわらず、再度話題になるような事件は少なくありません。
天下り人事や談合事件は、話題になり続けていても繰り返されます。
だれも本気で取り組んでいないからです。
マスコミも、解決に向けてのフォローはしません。
テレビのキャスターも、毎回同じコメントをするだけです。
今朝のテレビで、民主党の長妻議員が、
今回の居酒屋タクシー事件に関して、水増し請求の実態を調査させてくれと役所に要求したにもかかわらず拒否されたことを告発し、同席していた自民党の山本議員に、与党からも調査を働きかけてくれと呼びかけました。
山本議員は、こうした問題はむしろ与党こそがしっかりと追及すべきだといいながらも、長妻議員の呼びかけを無視しました。
この問題に関しては「怒り」を常々口にしている司会者のみのもんたも、長妻議員の発言を聞き流しました。
要するに、みんな本気でやろうとはしていないのです。
長妻議員だけは本気だと感じますが。
居酒屋タクシーの受益者と同じようなことをやっているのが、多くの政治家でしょうから、彼らにはそうした状況の根絶は無理かもしれません。
大臣などの答弁を聞いていると、白々しさを感じます。
それに、多くの国民は長妻さんほど怒ってはいませんし、実体をしっかり見ようなどとは考えていないかもしれません。
なんで悪いのかと、今でも言う人はいます。
社会の常識が、そうなってきているのでしょうか。
長妻さんの怒りが、なかなか前に進まないのは、そうした状況のせいかもしれません。
今回発表された処罰に関しては、ほとんど意味のない、内輪だけの処罰です。
そんな処罰はする必要もありません。
やるべきは「名前の公表」です。
個人名を出すのはプライバシーに関わるなどと言う人がいるかもしれませんが、犯罪を起こした人の名前は公表すべきです。
犯罪ではないというならば、これほど大騒ぎする必要はありません。
いじれにしろ、減給や停職が処罰だなどと考えるのは時代遅れだと私は思います。
公表は見せしめかといわれそうですが、それくらいの緊張感が公務に取り組む人には必要だということです。
その緊張感が欠落しているのです。
緊張感の欠落は、何も官僚や政治家に限ったことではありません。
私自身、ささやかに仕事をしていますが、そうした風潮を強く感じます。
「いい仕事」をしたいと思っている人は、あまり見かけられなくなりました。
いずれにしろ、一つでもいいから問題をしっかりと最期まで解決することをやってほしいです。
問題が多すぎるためか、すべてのことがうやむやに終わってしまっている気がします。
マスコミも同じです。
問題を取り上げている回数が多いのを自慢するのではなく、きちんと問題解決に向けての取り組みを心がけるべきだと思います。
居酒屋タクシー事件は矮小な問題だと思いますが、それへの対応には本質的な問題が象徴されています。
そこから社会の実相が見えてくるような気がします
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