■探す情報を探している時代
このブログの読者はネット検索で訪ねてきてくれる人のほうが多いのですが、
どんな「検索ワード」でたどりつくは、ある程度わかります。
それをみていると社会の関心事も少し感ずることができます。
テレビで何かが放映されると必ずそのキーワードが出てきます。
セロの番組が放映されるとセロでの検索でたどりつく人がいるというわけです。
現代は、「探す情報を探している時代」なのかもしれません。
「探す情報を探している時代」は「情報を主体的に探す時代」とは、全く反対の社会です。
私が、現代を情報化社会ではなく、非情報化社会ではないかと思う理由の一つです。
昨日、インターネットの増幅機能について書きましたが、そうした時代においては、刺激の当て方次第で情報探索を誘導し、世論を形成していくことができます。
読者もそれほど多くないこのブログ(アクセス数では1日200~300ですが、実際の読者人数はそのうちのほんの一部でしょう)でさえ、そうしたことが見えますから、読者の多いブログや多くのブログのアクセス傾向を把握したら、社会の関心事やその方向性、あるいは誘導するキーワードやその出し方が見えてくるはずです。
おそらく経済や政治の参謀たちは、すでにそうした活動をしているでしょう。
情報操作をしていく状況は、既に十分に整っているわけです。
世論を壊したり、ネットワークを壊したり、反対派を分断する手法はかなり磨き上げられていることでしょう。
そうした人が世間でも評価され、有名になる時代です。
そう考えると恐ろしい気もします。
そうした時代に、自分をしっかりと生きていくためには、実直さと身体感覚だけが頼りかもしれません。
言葉はもう頼りにはなりません。
この数年、どれほどの言葉に裏切られてきたか、そしてたぶん私自身も言葉で人を裏切ってきただろうことを思うと気が重くなります。
私たちは、もしかしたら言葉を的確に使う力を失ってしまったのかもしれません。
言葉が「いのち」を失いつつあるといってもいいかもしれません。
ところで、最近、気になるのは「対象喪失」という検索ワードでのアクセスが多いことです。
以前の記事で書きましたが、対象喪失は大切なものを失うことですが、その検索ワードでのアクセスが多いのです。
大切なものを失う人が多くなっているのでしょうか。
言葉の喪失と大切なものの喪失。
ちょっと気になります。
ちなみに、並んで多いのが「アウトカム」です。
これは実態と実体の回復への関心かもしれません。
「アフリカではよくあること」が今なお毎日必ず数件あるのもとても不思議です。
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