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2008/06/21

■なぜ自殺者が減らないのか

昨年も自殺者が3万人を超えました。
これで10年連続です。
自殺者が3万人を超えたのは1998年ですが、それまでは2万人から2万5000人前後を推移していたのです。
それが一挙に5000人も増えたわけですが、その内訳は男性自殺者の増加です。
その傾向がずっと続いています。
女性の自殺者は、それ以前と同じく、1万人未満のままです。
社会の変化に対する抵抗力の性差は、まさにいまの社会の本質を示唆しています。

この数年、マスコミでも自殺の問題がかなり取り上げられるようになってきましたし、自殺対策基本法もできました。
社会の関心も高まっています。
私が取り組んでいるコムケア活動でも、自殺予防に取り組んでいる仲間が数人います。
彼らの活動には頭が下がる思いがしています。
昨日、仲間の1人から、みんなで話しあってみたらどうかという提案がありました。
ぜひ話し合いの場を持ちたいと思います。
ご関心のある方はぜひご参加ください。
私のホームページ(CWSコモンズ)のお知らせのコーナーでご案内します。

自殺に関しては、死刑以上に発言が難しいですが、
私自身は、ほとんどの場合、自殺というよりも社会によって追い詰められた結果ではないかと思っています。
東尋坊で自殺予防活動に取り組んでいる茂さんが、その著者「東尋坊 命の灯台」で書いているように、ほんとうはみんな「生きたい」のです。
でも生きられない。だから追いやられた選択なのだと思います。

では誰がその選択をさせているのか。
いうまでもありませんが、当事者以外の私たちです。
社会をつくっているのは、いまこの時代を生きている私たちだからです。
だとすれば、私たちみんなに、そうした状況を変えていく力があるということです。
どうすればいいのか。
このブログで何回も書いているように、隣の人に声をかけることです。
友人知人のことをちょっと気にすることです。
「余計なお世話」をすることです。
それぞれの生き方をちょっと見直すことも大事かもしれません。
思い込んでいる考えをちょっと忘れるだけでもいいかもしれません。

真面目に汗して生きている人が「小さな安心」を獲得できるような、
少しずつみんなで重荷を背負いあう人のつながりを回復していくことができれば、
もっとみんな生きやすくなるかもしれません。

相変わらず脳天気な理想論だと、また批判を受けそうですが、
そうした「暮らし」のレベルからの発想が必要なのではないかと思います。
問題はたぶん「自殺」という行為にではなく、「暮らし」という日常にあるように思えてなりません。

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