■節子への挽歌280:色即是空 空即是色のような心境
高崎市で「ゆいの家」を主宰していた高石友江さんから手紙をもらいました。
毎月、「風の大地」というニューズレターを送ってきてくださるのですが、この1年、私宛のニューズレターや機関紙類はほとんど読まずにいました。
最近やっと私に届いているいろいろな書類に目を通すようになったのですが、「風の大地」に「お元気ですか」という高石さんのメモが書いてありました。
節子のことを知らせていなかったことに気づき、先週手紙を書いたのですが、その返事です。
実は高石さんの伴侶が節子と同じ病気で、その対応の仕方もとても似ていたのです。
そんなこともあって、気になっていましたが、高石さんのパートナーはこの春から職場復帰が出来たそうです。
本当にうれしい話です。
同じ病気と知ると、なんだか同士感覚が芽生えるものなのです。
高石さんは、私と違い、とても冷静です。
「主人は主人の人生だからと少々覚めた感じで対応していましたし、これでまた再発と言われても覚悟はしています。むしろ今こうして元気にいられることを日々感謝して生きたいとおもっています」
私とは対照的な関係の持ち方です。
夫婦の関係や愛し合い方の関係はいろいろありますから、どれがいいなどとは言えませんが、私たちの場合も高石さんたちのばあいも、自分たちに合った関係を大事にしているということだと思います。
しかし、たぶん私も高石さんも、伴侶の病気によって、自らの人生観や生き方を大きく深めていることは間違いありません。
高石さんはこういいます。
「主人の病気を通して、一層、今こうして生きていられるありがたさを感じるようになりました」
そして、最後に、
「自己探求をどんどんしていくと何か大きなものにつながって、色即是空 空即是色のような心境になっていきます」
と書いています。
全くその通りです。
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