■秋葉原事件を再発させないための「素直さの回復」
秋葉原無差別殺傷事件に代表されるような事件が増えて来ています。
あるいはまた丸明などの食品会社不祥事も後を絶ちません。
新聞やテレビのニュースでは、毎日、そうした事件が繰り返し報道されています。
今日の挽歌編に書いたことを再録します。
同じ立場にある人たちには、多くの言葉は要りません。
それに自分が発する言葉が決して誤解されない安心感があるので、素直に話せます。
だからきっとすっきりできるのです。
自分の素直な思いを素直に話しても素直に聴いてくれる人がいるということのありがたさを、改めて実感しました。
そういう人が周りに1人でもいれば、人はどんな苦境でも踏みとどまれます。
秋葉原事件を起こした加藤さんも、間違わずに済んだような気がします。
これは挽歌の文を書いていて自然に心に浮かんだことです。
私には一つだけ取り柄があります。
人の言葉を素直に聞けて、素直に反応できるのです。
大人になってからは、素直な反応を隠す術を少し身につけましたが、身体は正直に反応しますので、よほど相手が鈍感でないと隠せません。
幸いに私の不得手なタイプの人は、ほぼ例外なく鈍感ですから(自分にしか関心がありません)、まあ大きな問題は起こさないですんでいます。
たぶん、ですが。
いろいろな人が私のオフィスに来ます。
それこそ大会社の社長から苦境のどん底にある人まで、いろいろです。
なぜ来るのでしょうか。
でも私はすべての人に同じように対応しています。
ただ素直に話を聞き、素直に反応しているだけです。
受け取り方は違いますが、それは間違いなく相手の心理状況によるものです。
昨日、伴侶を亡くされた方が突然やってきました。
そのことは挽歌308に書きました。
上記の文章は、その記事の最後の文章です。
あえて続けて再録したのは、挽歌読者だけでなく、他の人にも読んでほしいと思ったからです。
なんだか「大きな発見」のような気がしだしたのです。
そして社会を変える方法が見つかったような気さえしてきたのです。
「ペイ・フォワード」はご存知でしょうか。
それを知った時、私は感動しました。
これで世界は幸せになるとさえ思いました。
まあいかにも私らしい過度の単純思考ですが、
残念ながらその行動はあまり広がらなかったように思います。
私も持続できませんでした。
それを仕事で実践しているという某社の部長に会ったことはありますが、残念ながら私の理解とは違っていました。
誤解しないという確証を持って聞いてもらえる人、それはいわゆるカウンセラーです。
しかし、仕事としてのカウンセラーは、こちらの思いを心から受け止めてくれるわけではありません。
技術論として受け止めてくれるだけですから、双方とも共同幻想の上のゲームでしかありません。
否定するつもりはありませんが、私の周りにもたくさんいるカウンセラーは、上記の文章にある「素直な思いを素直に話しても素直に聴いてくれる人」には当てはまりません。
「創られた素直さ」は本物ではないからです。
素直になれるということは、無防備になれるということです。
エスカレーション理論とディスかレーション理論を思い出します。
無防備こそが最高の防御策と、私は思っていますが、ほかの人には勧められません。
現実は必ずしも、まだそうではないことも知っているからです。
ただ素直になることの強さ、これはその生き方に徹すると実感できます。
これを「素直さの効用」と呼びましょう。
赤ちゃんが無防備なのに安全なのは、素直さの効用の結果です。
自分の素直な思いを素直に話しても素直に聴いてくれる人を見つけましょう。
見つけるのはそう難しいことではありません。
まず自分がそうなればいいのです。
素直に聴き合える関係を育てましょう。
本当はみんなそうしたいのかもしれません。
「21世紀は真心の時代」で私が言いたかったはそれだったと思い出しました。
孤立している人がいたら、声をかけましょう。
孤立してしまっていたら、声を上げましょう。
嘘をつくのはやめましょう。
たとえ総理大臣や財界人が嘘をついても、真似をしてはいけません。
彼らは不幸の人生に負けているだけなのです。
いつかきっと素直になる時があるでしょう。
それを祈ってあげましょう。
素直さの効用は、私たちの人生をきっと豊かにしてくれます。
そう信じています。
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