■節子への挽歌305:自分の愚かさに腹が立ちます
今日は10回目の月命日です。
最近、自分の愚かさに腹がたっています。
節子にいくら謝っても謝りきれません。
何回も書きましたが、私は節子が絶対に治ると思い込んでいたのです。
その「思い込み」が取り返しのつかない結果を引き起こしたのかもしれません。
そう思うといたたまれなくなります。
私も節子も友人に恵まれました。
沖縄から北海道まで、心あたたかな友人たちがいます。
節子が元気を回復したら、全国の友人知人を訪ねる旅に出ようと思っていました。
節子の再発が確実になるまで、節子は少しずつ元気になり、短い旅行は可能になっていました。
なぜその時に、全国を回る旅に出なかったのでしょうか。
節子に提案したのに、節子があまり積極的ではなかったような気もしますが、強く勧めたら、節子は賛成したかもしれません。
事実、節子は四国に行きたいと言ったこともありました。
あの時ならば、飛行機にも乗れたはずです。
もう少し元気になったら、などという馬鹿げた理由で、旅行を先延ばししていたことを心から後悔しています。
無理をしてでも行くべきでした。
先日、テレビで四万十市の番組がありました。
なぜ四万十市の宅老所えびすに行かなかったのか。
先日、広島の折口さんから電話がありました。
なぜ広島に行かなかったのか。原さんにも会えたのに。
新潟の金田さんからも電話がありました。
なぜ新潟に行かなかったのか。節子は一度も行ったことがなかったのに。
山形の友人とも電話で話していて突然に思いました。
山形にも結局、行けなかった。
何かあると、そこにいる友人知人の顔を思い出します。
節子に会わせたかった友人知人がたくさんいます。
みんなに会ったら、節子は元気をもらって治ったかもしれません。
やれることはやれる時にやっておくこと。
これは節子がよく言っていたことでした。
にもかかわらず、私は節子との旅を先に延ばしてしまっていたのです。
悔やんでも悔やみきれません。
絶対に治る、治ってからにしよう、などと考えていた自分に腹が立ちます。
みなさんは決してそんな馬鹿なことはされませんように。
やれることは、いますぐにでもやらなければいけません。
いますぐに、です。
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コメント
佐藤様
どうぞ、そのようなお考えはお捨てになって下さい。
奥様もきっと悲しまれると思います。
私如きがこのようなことを申し上げるのは本来失礼なことであると承知していますが、佐藤様の愛情に包まれて天に召された奥様は何の悔いもなく行かれことと思いますよ。
先日、ようやく佐藤様にお目にかかり、私は素直にそのように感じました。
むしろ、後に残る佐藤様のこととお嬢様のことだけが気がかりだったのではないでしょうか?
月並みかもしれませんが、私はそのように感じます。
投稿: 濱口 | 2008/07/04 20:02
濱口さん
ありがとうございます。
私も頭ではそう思っているのですが、
時に自分への腹立たしさにとらわれてしまいます。
それが何も生みださないこともわかっていますが、
どうしようもないのです。
妻との別れを体験するまで、
私はほとんど「後悔」しないタイプでした。
結果がいつもベストだったと思えるタイプでした。
しかし、「死」がからんでくると、どうもそうはならないようです。
やりなおしがきかないからです。
それ以外はすべてやり直しがききますから、
結果をベストと思うことが力になります。
でも「死」はやり直しがききません。
しかし腹立たしさを感じていますが、
だから自分を否定するまではいきませんので、
ご心配ありませんように。
また濱口さんと会える時には、前より元気になっています。
また会いましょう。
投稿: 佐藤修 | 2008/07/05 09:07