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2008/07/09

■議会の外に眠っている大きな力に対する洞察力の欠如

ローザ・ルクセンブルグ。第一次世界大戦中にドイツ社会民主党の戦争支持に対抗して、「スパルタカス連盟」を結成し、ドイツ革命に挑んだ革命理論家です。
私が高校生だった頃の世界史の教科書には登場していましたが、最近の教科書ではどうなのでしょうか。
その知的な容貌と悲劇的な最期の強烈さから、今でもその名前は鮮明に覚えています。
最近、彼女の主張に少し興味を持っています。
ドイツ革命が成功していたら、世界は全く変わっていたと思えるのです。

彼女は、議会主義を進めるドイツ社会民主党に批判的でした。
ある本を読んでいたら、こういう解説がありました。
「(彼女がドイツ社会民主党の基本路線、唯=議会主義を否定したのは、)議会のみが政治の舞台であり、そこで多数派にならなければ何もできないという怯懦と、議会の外に眠っている大きな力に対する洞察力の欠如に向けられたのであって、議会制そのものを否定したわけではない」(市野川容孝「社会」岩波書店)。
「議会の外に眠っている大きな力に対する洞察力の欠如」。
まさに昨今の民主党そのものではないかと思いました。
民主党だけでなく、日本の野党の基本路線もまた、こうした議会主義の罠に陥っています。
それでは何も変りません。
自民党と同じ穴の狢になってしまっているのです。

一時期、国民にも存在感を広げていた民主党は、戦略も戦術も間違えたように思います。
目を覚ましだしていた「議会の外に眠っている大きな力」は、再び眠りだしています。
これほど支持率の低い首相に、何一つ効果的な打撃を与えられずに、自壊しつつある民主党を見ていると、まさにその怯懦ぶりを感じます。
民主党は、政権能力がなかったのではなく、政権意欲がなかったのです。
国民の意識が高まっていた時に、国民に顔を向けるべきでした。
しかし彼らには、その洞察力がありませんでした。
その意味では、国民の意向を無視し続ける現政権と同じです。

洞爺湖サミットとは一体何なのでしょうか。
これからの歴史を決めていく重要な会議と言われていますが、どこがそんなに重要なのか、よくわかりません。
温暖化問題に対する合意は、一体何なのか。
あのわけのわからない言葉を、前進だとか後退だとか評価する気にはなれません。
巨額な資金をかけて、こんなことしか決められないのか。
それをまた大げさに報道する人たちの気も知れません。
そこにも「会議の外に眠っている大きな力に対する洞察力の欠如」を感じます。
反サミットグループも、サミットに同調するNGOも集まったのですから、そことの交流のセッションもあれば、議論は広がりを見せたでしょう。
マスコミにも、そうした会議の外での動きをもっと報道してほしいです。
そこにこそ真実があり、そこにこそヒントがあるようなきがします。

幾重にも隔離された会場での駆け引き的な議論。
18~19世紀の宮廷政治を思い出します。

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