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2008/07/26

■堀江被告の発言に思うこと

粉飾決算事件の元ライブドア社長堀江さんの控訴審は、控訴を棄却し、一審の実刑判決を支持しました。
それに関して、堀江さんは「なぜ悪いと言われるのか理解できない」と言っているようです。
金融権力支配に対する警告的意味は持っていると思いますので、私自身は実刑判決には納得しますが、なんだか割り切れないものが残ります。

まず被告を納得させられない判決とは何かということです。
被告の納得できないところを明確にし、それに対してきちんと説明していくのが裁判ではないかと思うわけです。
それにも関係しますが、逮捕の少し前までは、あれほど堀江さんを持ち上げていたのは何だったのかです。
実はかくいう私も、一時期、堀江さんに期待を持ちました。
私の場合は、証券取引法などとは全く別の側面で評価したのですが、それもまた私の不明のせいであり、それに関しては反省しています。
しかし、彼を利用した財界人や政治家は、どうしたのでしょうか。
この事件をこれほど大きくしたのは、たぶんに彼らの応援があったはずですが、そうしたことへの言及はあまり聞かれません。
村上ファンドへの福井前日銀総裁の応援も、金融権力支配への支援になったはずですが、そのあたりも全くうやむやにされています。

つまり、事件は単に堀江さんだけの話ではなく、もっと大きな政財界に広がる事件ではないのかという気がしてなりません。
当時のさまざまな国策事業、たとえば産業再生機構や地域力再生機構などを通して、いったい何が行われたのかも、知りたいものです。
ホリエモン事件は、そうした大きな「社会変革プロジェクト」の一部だったように思います。
その社会変革は、これまでの日本社会の文化を大きく壊しましたから、変革というよりも破壊というべきかもしれません。
とても象徴的なのは、4月の裁判で堀江被告から出された上申書の次の1文です。

「日本ではお金のことを口にすることが悪いこととされていたが、これからの時代はお金の運用に関心を持つべきだ」。
違和感を持たない人も多いと思いますが、
この文の含意するところにこそ、大きな問題があるように思います。
関心を持つべきは、「お金の運用」ではなく、「私たちの生き方」です。

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