■節子への挽歌313:手づくりの万華鏡
昨日、TYさんのことを書きましたが、
節子の位牌壇のちかくに、TYさんのテディベアと並んで、万華鏡があります。
病床の節子が時々、のぞいていた万華鏡です。
これはたしか寿衣を縫う会の嶋本さんからのプレゼントです。
手づくりの万華鏡です。
節子の枕元にはたくさんの人たちからのエールの品々がありました。
元気になって、その一つひとつを「ありがとう」と言って返していくのが私たち2人の願いでした。
そうした品々が、もう返すこともできず、いまもなお私たちの周りにいます。
返さなくてもいいではないかと思うかもしれませんが、私たちは返却の旅をしたかったのです。
寿衣を縫う会の嶋本さんに私が出会えた時には、節子はすでに闘病中でした。
ですから私たちは「寿衣」の話を避けがちでした。
闘病中であれば、むしろきちんと受け止められたのではないかと思うかもしれませんが、元気な時であればこそ、「死」はこだわりなく語れるのです。
節子と私は、意識的に「死」に関する話は避けていた気がします。
いまとなっては、「逃げていた」と言われても否定できません。
それもまた私の中では融けることのない「悔いの念」です。
節子が逝った後、嶋本さんからは「般若心経」の本が送られてきました。
万華鏡と般若心経が、いまも節子を包んでいてくれています。
ちなみに節子はお気に入りのカジュアルな服装で旅立ちました。
胸に四国八十八か所のお札を懐に入れて。
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