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2008/08/15

■平和に関する2冊の本をお薦めします

今日は終戦記念日です。
ところが朝の新聞には、ほとんどその記載はありません。
朝日新聞では、1面には天声人語での言及と書籍広告のテーマが平和と戦争になっていただけです。
テレビでもどなたかが話していましたが、どの新聞もオリンピック報道ばかりで終戦記念日のことはほとんど書かれていないようです。
戦争体験はもう忘れられるものになってしまったのでしょうか。
しかし、今こそ、戦争体験から学び、未来を構想しなければいけない時期ではないかと思います。
戦争は過去のものではなく、現在および未来の問題です。

最近出版された2冊の本を紹介したいと思います。
お読みいただければと思います。

1冊目は、むのたけじさんの「戦争廃絶へ、人間復活へ」(岩波新書)です。
CWSコモンズのブックのコーナーで紹介しましたが、ノンフィクションライターの黒岩比佐子さんが、むのさんの深い思いを引き出してくれています。
黒岩さんは「戦争を知らない世代が、むのさんの言葉から学ぶべきことは多いと思います」と書いていますが、従軍記者として「本当の戦争」を各地で見てきたむのさんの言葉は、恐ろしいほどに生々しいです。

2冊目は、新しい平和論をライフワークにしている川本兼さんの「新平和主義の論理」(明石書店)です。
まだ書店に並びだしたばかりで、私もまだブックのコーナーにアップしていませんが、とりあえずの紹介文を臨時に載せました。
そこに川本さんの「はじめに」の文章を載せましたが、そこにこう書かれています。

「戦争を知らない『元』子供たち」は、子供の頃、「戦争を知っている大人たち」に「どうして反対しなかったのか」「どうして抵抗しなかったのか」と問いかけました。そのことが大人たちをいらつかせ、そのいらつきから発せられる「戦争も知らないくせに…」という言葉に対して、「戦争を知らない子供たち」の歌が生まれたのですが、しかし、これからは私たちの世代が「どうして反対しなかったのか」「どうして抵抗しなかったのか」と問われかねません。そこで私は、この本でわが世代に本当にこのような国を作ろうと思ったかを問い、そして「戦後日本の再構築」を呼びかけたいのです。

戦争体験は残念ながら風化し、単純化していくでしょう。
それに抗うためには、新しい平和活動が必要です。
私たちにもできることはいろいろあります。
今日は、そのことを思いながら過ごそうと思います。

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