■節子への挽歌339:愛する人を失った人同士につながる心のパイプ
節子
新潟からの帰りの新幹線です。
新潟水辺の会のみなさんと「信濃川にサケを遡上させるプロジェクト」について意見交換してきた帰りなのです。
いつか節子と一緒に新潟に来るという計画もついに実現しませんでしたが、独りでの新潟行きの新幹線はとても寂しかったです。
でも新潟でいろいろの方にお会いし、元気をもらいました。
新潟水辺の会は以前も一度参加させてもらいましたが、とても元気なオープンプラットフォーム型NPOです。
代表の大熊孝さんのお人柄が出ているのでしょう。
今日は1日中、新潟に本拠を移した金田さんのお世話になりました。
サケ遡上プロジェクトの話は改めてCWSコモンズに書きますが、ここでは昔からの友人のSYさんのことを書きます。
私が新潟に来ることを知って、ともかく顔を見たいと会いに来てくれたのです。
実は私もとても会いたかった人です。
すべての予定を組んでくれた金田さんに無理を言って、SYさんとの時間を少しだけつくってもらいました。
SYさんも最近、愛する家族との別れを体験したのです。
私と違って、一番の支えである伴侶ではありませんが、親と子の双方を亡くされたのです。
その上、ご自身も狭心症を体験されたのです。
「正直言って、どう生きたらいいかわからないという感じでした」とSYさんはいいます。
よくわかります。本当にわからなくなります。
私もそうでした。「どうしていいのかわからない」ほどに、意識が弛緩し、おろおろとうろたえていた時期があります。
そうした大変な状況の中で、SYさんは私のブログを読んでいてくださったのです。
SYさんの大変な状況に関して、私はおそらくその気になれば知りえる立場にいたはずです。
しかし、私にはSYさんのことまで思いを馳せる余裕がありませんでした。
先日、SYさんと電話をしました。
そうしたらSYさんが電話で、そうした話をとても自然に話しだしたのです。
その後、こんなメールをくれました。
「お電話で、すらすらお話できたので自分でもびっくりです」
会わないわけにはいかない、と思いました。
愛する人を失った人は、お互いに不思議な心のパイプが通ずるのです。
そのことを、この半年、何回も経験しています。
心が通ずれば、言葉などどうでもいいのです。
節子
SYさんの心が私の心につながっているのを感じます。
SYさんと会えたことで、今日の新潟行きは私には忘れ難いものになりました。
今度、節子に会ったら、話したいことがたくさんあります。
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