■自動車の水没事故
今回の集中豪雨で、冠水地域で自動車が水につかり、運転手が自動車から脱出できずに死亡したという事件が起こりました。
まだ改善策ができていなかったのか、驚きました。
こうした事件は10年以上前から発生していますが、その防止策はそう難しい話ではないように思います。
もしそれができないとしたら、自動車会社の技術力などはきわめて低いということになるでしょう。
技術の基本は、人を守ることでなければいけません。
もしそれができていないのであれば、自動車会社を主導するトヨタの経営理念は間違っているでしょう。
トヨタはきれいごとを並べるのは得意ですが、基本的な倫理観がかけている会社だと、私は以前から思っています。
今回の事件で、なぜ批判がトヨタに向かわないのか不思議ですが、それ以前の問題として、トヨタの技術者は少し考え直してほしいものです。
こうしたことは、以前も何回かトヨタの知人には問題提起したことはありますが、何も変わりません。
自動車はいうまでもなく、他者にも運転手にも凶器になる道具です。
それは自動車に限らず、ほぼすべての商品は多かれ少なかれそうした要素を持っていますから、それでもって自動車を批判することはできません。
しかし、自動車メーカーは、そうした側面にしっかりと向き合わなければなりません。
そこにこそ、自動車に関わる技術者の基本が置かれなければいけません。
燃費とか走行性とか、そんな話は、それができてからの話です。
今回の事故を回避することは、そんなに難しいことでしょうか。
電気回路が作動しなくなると同時に、機械的な仕組みが作動するようにしたらいいだけです。
現在の自動車は、かつてのようなマン・マシン・システムというよりも、人間をマシンの単なる部品にしてしまう発想で作られています。
ですから人間は自動車に乗った途端に、自動車に生命を預けてしまうことになるわけです。
そうした開発思想には大きな違和感があります。
30年ほど前に、自動車に関する2つの小論を書いたことがあります。
その時から事態はむしろ悪くなっているように思います。
果たして自動車技術はこの20年、進化してきたのでしょうか。
技術進歩の基準が間違っているように思えてなりません。
自動車技術に関しては、私は全く無知なので、ピント外れの意見になっているかもしれませんが、せめて今回のような事故は繰り返されないようにすべきだと思います。
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