■介護職の不幸
東南アジアからの看護・介護労働者の導入が、かなり現実の問題になってきました。
しかし、この問題への取り組みはなんだかとても大きな間違いがあるのではないかとずっと気になっています。
それに、東南アジアには看護・介護の問題はないのか、ということも気になります。
日本で技術研修するという説明もありますが、どうもすっきりしません。
それに関連して気になる話があります。
あるメーリングリストで、「介護福祉士の資格がありながら介護の職についていない人は20万人くらいいるそうです」という投稿がありました。
そのため、「介護福祉士の就労斡旋(援助)」が政府施策として検討されているようです。
20万人といえば、有資格者の役4割です。
調べてみたら、その実態調査も昨年行われているようです。
そういえば、こんな話も聞きました。
一時、各地の大学で急増していた介護や福祉関係の学部や学科が最近、人気がなくて急減しているという話です。
なんだかとてもちぐはぐです。
ちなみに、弁護士や医師の世界でも同じようなことが行われています。
しっかりしたビジョンもなしに、現場を知らない人たちが無責任に増やしたり減らしたりしています。
しかも、その処遇さえも、仕事の価値と無関係に決めてしまうのです。
介護労働者の離職率の高さは有名です。
その主な理由は、労働条件の悪さだといわれています。
低賃金はよくいわれますが、それ以上に過酷な労働条件で身体を壊す人も多いようです。
職についていない介護福祉士の多くは、「就職口がみつからない」からではなくて、職につきたくないからだと、その人は言います。
そして、「就労斡旋だなんて・・・・自ら現場に身をおいたことのない人間でないと言えない発想ですね」と書いています。
これほど「介護職」が求められている時代にもかかわらず、なり手が少ないのは、「介護職の不幸」としかいいようがありません。
どこかで、仕事の社会的位置づけが間違っているのです。
東南アジアの人たちにしわ寄せをする前に、問題の本質をもっと整理していくべきではないでしょうか。
それは、私たちの生活の未来にかかっているのですから。
追記
JanJanニュースに関連記事を見つけました。
今こそ介護労働者の待遇改善を
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 履歴書の転職 | 2012/03/10 11:53