■政権私物化の実態を明確にするのがマスメディアの責務
自民党総裁選挙に大きなスペースをあけるマスメディアには苦々しい思いがありますが、そういいながら昨夜は報道ステーションの5候補全員と古館キャスターのやり取りを見てしまいました。
後味がとても悪かったです。
何が悪かったかというと、マスメディアの報道のやりかたでたぶん世論を大きく変えられることがあまりに露骨に見えていたのと、古館さんのそれへの自制心が感じられなかったからです。
私は古館さんのこれまでの報道姿勢にとても共感しており、ある期待を持っていましたが、それが無残にも砕かれた感じです。
権力を持つことの恐ろしさを改めて実感しました。
昨夜の古館さんの目線は、あまりに高く、裁く人の目線でした。
誤解のないようにいえば、古館さんの切り込みはかなりのものでした。
ほかのキャスターにはできないでしょう。
しかし態度と配慮にかなりの問題がありました。
反感を持った人は多かったでしょう。
古館ファンだった私でさえ、いやな気がしました。
このブログのようなものと違って、テレビメディアはその存在自体に暴力性がありますから、強い自制力と大きなバランス感覚が求められます。
とりわけ自制力を失った番組は長くは続かないでしょう。
せっかく育ってきたのにと、とても残念です。
昨日の番組を見ている限り、古館さんと報道ステーションは、ほかの報道番組と同じ役割に堕ちたように思います。
自民党を利したことは間違いありません。
つまりお祭りに乗ってしまったのです。それも最悪の形で。
開かれた総裁選挙で政策論議をすることの価値をみんな高く評価していますが、どこの誰が政策論議をしているのでしょうか。
政策論議まがいをすることの弊害の方が大きいです。
郵政民営化を思い出せばわかることです。
それにどこが開かれた選挙でしょうか。
党員が自由に議論するのはいいですが、それがテレビのトップニュースになる価値があるのでしょうか。
まずやるべきは、民意を問うことなく、1年で投げだすことに示されているように、政権を私物化していることの反省であり、償いであるべきです。
そうした不祥事の片割れに、政権担当能力などあろうはずがありません。
みんな共犯者です。
盗人たけだけしい話です。
その事実を明確にするのがマスメディアや報道番組の責務です。
そこを突かずして、何を突くのか。
政権能力のない自民党内部での政策論議などには、微塵も価値がありません。
それをちやほやしているマスメディアには報道能力も失われているのです。
それはマスメディアの私物化以外の何物でもありません。
昨夜のニュース23の冒頭で紹介された国民の声が、唯一の救いでした。
新聞で言えば、読者の投書記事が救いです。
新しい自民党総裁は、衆議院を解散するのではなく、自民党を解散する事を考えてほしいです。
高血圧対策で、怒りを発散させてしまいました。
すみません。
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