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2008/09/04

■堂々と質問に答えられるような生き方

大麻疑惑で、日本相撲協会の北の湖理事長が、記者の質問に対して無言で押し切る姿を見ていて、なんとも言いようのない寂しさを感じます。
質問に堂々と答えられない人が、どうして社会的な職責を担っているのか。
これは日本相撲協会だけではありません。

質問する記者たちの無意味な質問に辟易しているのかもしれませんが、
たとえ相手の記者が非常識で勉強もしていない人たちであろうと、
そのシーンはテレビを通して多くの国民に届くのです。
見識のない記者やレポーターたちに勝手なことを言わせないための、絶好の機会なのです。
自らの発言をテレビで流してもらうなどと言うことは、普通の人には望んでもできることではないのです。
そのせっかくの機会に、黙して語らないのは、それこそ語る以上の明確なメッセージを視聴者には伝えるはずです。
黙して語らないだけで、北の湖理事長は職責を果たさず、どこかに後ろめたいところがあるはずです。
あの力士殺害(傷害致死)事件以来の多くの相撲界の不祥事の黒幕は、私には、北の湖理事長だろうと思えてなりません。
つまり本当の犯人は北の海だということです。
言い方がきつすぎますが、暴力を温存させていた加害者の仲間であり、大麻がもし事実であるとしたら、それもまたそうした状況を作り出してきたという意味で加害者の一角を成しているというべきです。
黙して語らずの言動が、それを明確に示しているように思えてなりません。

何か問題が起きた時に、当事者側の権限ある人は記者の質問攻めを浴びることになります。
それは、実は絶好のチャンスです。
危機管理の出発点は、自らをさらけ出し、多くの目でチェックしてもらい、問題解決に協力してもらうことです。
どんなことでもいいので、まずは話すことから始まります。
多くの場合、責任者には当事者意識が欠落しており、自分たちも被害者だと思ってしまうようですが、関係業界や関係者はだれであろうと、いついかなる場合も、加害者の仲間であって、被害者ではないのです。

マスコミ報道を恣意的に悪用するのはよくないですが、関係者はもう少し真面目にマスコミに対応する姿勢をもってほしいです。
しかし、そういう状況が育たないのは、マスコミ側に大きな責任があるように思います。
マスコミもまた、そういう効用を関係者にしっかりと理解してもらい、その効用を健全に活かす努力をするべきです。
少なくとも、無意味な質問をし、内容のない報道をするのではなく、事件を正しく視聴者に伝えられるように、節度ある取材、意味ある質問、正確な報道にもっと真剣に取り組むべきです。

北の湖理事長のこそこそした惨めな姿を見て、どんな質問にも、堂々と応えられるような生き方をしたいなと改めて思います。

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