■銚子市立病院は市民で再建できないものか
銚子市立病院が行政の赤字負担が限界に達し、とうとう休止になるようです。
実に「無駄」な話ではないかと思います。
いまさら言っても仕方がないでしょうが、なぜ住民たちで再建できなかったのでしょうか。
今朝のテレビでは、年間赤字は12億円と報道されていたようです(不正確かもしれません)。
銚子市の人口は7万人強ですので、年間一人2万円を負担すれば赤字は補填できます。
あるいは市民を対象にした公募債で立て直し資金は得ることも可能です。
住民一人2万円は高いかもしれませんが、病院がなくなることによって発生する住民の負担額増額と比べたら、そう大きな差はないかもしれません。
それに住民が一緒になって取り組めば、そして住民が我慢できることは我慢すれば、赤字は半減できるかもしれません。
そもそも地域住民にとって役立っている事業が赤字になること自体がおかしいのですが、それは日本の医療制度そのものがおかしいからです。
これは全国的な問題として直していかねばなりません。
それが改正されたら、数年後には黒字に持っていけるでしょう。
それに銚子市の住民の中には、きちんとした枠組みをつくれば、かなりの寄付は集まるでしょう。
病院が自分たちのものと思えれば、発想は全く変わってくるはずです。
全住民を対象にして、資金を公募したらオーナーシップが取れるかもしれません。
そうしたら名実共に、住民みんなの病院になります。
公立病院ではなく、共立病院、コモンズ病院です。
せっかくの施設があり、医師や看護師のネットワークもあったのに、赤字だからといってやめてしまうのは、大きな無駄です。
発想を変えれば、いくらでも存続の知恵は見つかるでしょう。
夕張や矢祭を、銚子の住民は学んでいないのでしょうか。
もし住民が中心になって再建するのであれば、私も喜んで負担します。
いつ自分の町でも起こるかもしれない問題ですから。
病院は、行政のものでも企業のものでもありません。
医師と看護師と患者のものです。
そういう原点が、あらゆるところで見失われているような気がします。
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コメント
銚子市立病院の近くの市民です。
これから市議会で議論されると思うのですが、銚子市立病院を食い物にして経費倒れさせていた人が多く存在します。
大元は、銚子市会議員から波及されたものなのですが、表に見え隠れする部分では、自治労のつながりが強く存在する事がわかっております。
これから議会でウミが出されると思います。
では。
投稿: neet | 2009/03/09 14:54
neetさん
ありがとうございます。
行政が経営するサービス事業と民間が経営するサービス事業は、その構造が全くといっていいほど違いますから、行政の場合は、コストがかなり割高になりますね。
以前、保育園の費用の違いを知って驚きました。
公共施設や公共サービスの一番の問題は、そこに寄生している人の多さでしょうか。
これからの成り行きを、私も関心を持って見させてもらおうと思います。
ありがとうございました。
投稿: 佐藤修 | 2009/03/10 09:54