■ボーン・アイデンティティと井原勝介前岩国市長の体験
昨日、ついつい「ボーン・アイデンティティ」3部作をテレビで見てしまいました。
シリーズものの映画は、大体において後になるほど面白くありませんが、このシリーズはきちんと創られているので何回見てもおもしろいです。
しかし、面白がってばかりはいられません。
この映画が示唆しているのは、国家のもつ暴力性です。
そこでは「人間」は根本から否定されているのですが、その否定の動機は実は権力中枢に寄生している人たちの利己的な保身なのです。
まさにそれを、福田首相は象徴的に見せてくれましたが、その背後に隠された暴力性にまでは私たちの視線は届きません。
しかし、福田首相の行為がいかに暴力的であるかは、よく考えればわかることです。
ボーンの作品を見ながら思い出したのが、つい最近読んだ「軍縮問題資料」10月号での芦澤礼子さんの記事です。
芦澤さんは7月13日に開催された「井原勝介さんと考える市民主義」の集まりでの、岩国市前市長の井原さんの講演の要旨を報告しています。
そこに、今の日本政府(自公政権)の非人間的な暴力性がはっきりと示されています。
その内容をできるだけ多くの人に読んでほしいと思い、ネットを探したのですが、まだどこにもアップされていません。
そこで、同記事の一部を引用します。
結果的には負けてしまいましたが、私たちの予想を超える、あそこまでいかさまのような選挙をやるとは思いませんでした。デマや誹誘中傷から始まり、何でもありの作戦がとられました。例えば私が勝てば夕張のように財政が破綻し、税金は何倍にも上がる、バスや病院、保育園、児童手当がなくなる、公園のトイレがなくなる。相手方(福田良彦氏)が勝てば五千億円も一兆円ももらって何でもできる。医療費や給食費がタダになり、道路もつくる、野球場もつくると。その陰では企業を挙げて圧力をかける。平日の期日前投票に、若い作業服を着た方がぞろぞろと来るということは、今まで岩国の選挙では見たことがなかったと、立会人の人も言っていました。選挙前に、井原さんを辞任させるための政府の金を使っての嫌がらせもひどいものでしたが、こうしたことが日本の選挙でも起こっているのです。
アフリカの軍事政権や北朝鮮の話ではないのです。
ちょっと似た内容が、ジャンジャンニュースに掲載されています。
「井原勝介・前岩国市長が再起を語る(下)」
一番不愉快なのは、政府は私たち国民の税金を使って、国民の意識やつながり、生活を破綻させようとしていることです。
さすがに直接の殺害行為は見えてきませんが、実質的には同じ結果を生んでいるように思います。
ちょっと想像力を働かせば、アメリカのCIAと同じことをやっているのが感じられます。
表現が過激ですが、それはボーン・シリーズを観た直後だからです。すみません。
しかし、私自身も全くの間違いで公安警察の人に事情聴取されたことがありますが、その経験から言えば、権力への恐怖感はあります。
私が国家権力に寄生している人たちに、不快感と同時に、時に迎合しようとする弱さがあるのは、その恐ろしさが垣間見えるからです。
自民党政権は、まさに暴力的な政権です。
しかしたぶん、民主党政権になっても同じことでしょう。
それが国家なのです。
それへの対抗力は、マルチチュードとしての市民主義かもしれません。
井原さんの市民主義に基づく活動に共感します。
岩国市の動きには、これからも関心を持ち続けようと思います。
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